トヨタ、「個別マーケティング」強化へ布石 総合サイト「GAZOO」を一新、本サイトと会員制度統合

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キモとなるのは、会員情報だ。年齢や性別、年収、職業などのデータベースはリアル系企業の財産となる。多ければ多いほど有効といえる。トヨタはガズーと本サイトでこれまで別々に会員制度を設けていたが、両者を統合することで顧客情報を一元で管理して、将来的に1to1マーケティングの強化につなげることも可能となる。

トヨタブランドの活用に課題も

一方、ガズーは、トヨタが運営しながらもブランドとしては「トヨタ」を明確には使っておらず、ユーザーにトヨタブランドを強く意識させるサイトの構造にはなっていない。会員制度を統合したあとは、直接の販売にはつながらなくても、ガズーサイトの訪問者に、もっとトヨタブランドを積極的に訴えていくことも課題となりそうだ。

ネットの世界は新しい潮流がどんどん生まれ、日進月歩で変化していく。トヨタのような大企業といえども「勝利の方程式」はまだ確立していない。リアル系企業の本業を補完するためのネット活用法は、まだまだ試行錯誤が続く。

武政 秀明
たけまさ ひであき / Hideaki Takemasa

1998年関西大学総合情報学部卒。国産大手自動車系ディーラーのセールスマン、新聞記者を経て、2005年東洋経済新報社に入社。2010年4月から東洋経済オンライン編集部。東洋経済オンライン副編集長を経て、2018年12月から東洋経済オンライン編集長。2020年5月、過去最高となる月間3億0457万PVを記録。2020年10月から2023年3月まで東洋経済オンライン編集部長。趣味はランニング。フルマラソンのベストタイムは2時間49分11秒(2012年勝田全国マラソン)。

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