トヨタ、「個別マーケティング」強化へ布石 総合サイト「GAZOO」を一新、本サイトと会員制度統合

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トヨタにとってガズーは、「車の購入を主眼とせず、車ファンを増やしていくという役割を果たしている」と山田部長は言う。特にトヨタの顧客層として手薄とされる20~30代を中心とした若いユーザーとの接触機会に有効となっている。

トヨタの商品情報を掲載する本サイト「toyota.jp」。集客力は中規模のマスコミ系サイトをしのぐ

一方、トヨタにはトヨタ車の商品情報を提供する「toyota.jp」という本サイトがある。ここには月間で約450万人が訪れ、両者を合わせると月間の集客力は約600万人となるが、従来、toyota.jpとガズーは、明確に連携する関係にはない。

トヨタはガズーのサイトリニューアルとともに、ここに手を加える。従来別々だった両社の会員制度を統合するのだ。

狙いの一つには、消費者ひとり一人の細かい嗜好やニーズに合った「1to1(One to One)マーケティング」の強化を見据えていることがありそうだ。ガズーのリニューアルに当たっては、ひとり一人が求める情報を精度よくまとめるパーソナライズ機能の付加も予定している。「(リアル系企業のマーケティング)マスから1to1へと向かう中で、その流れを強化したい」と、e-toyota部の山田部長もコメントしている。

既存客とのつながりを深める

1to1マーケティングは、個々の消費者に提供する情報や応対の内容をひとり一人変化させる手法で、新規客の獲得というより、既存客とのつながりを深める効果があるとされる。ネットの世界では、サイトの訪問履歴などから、消費者ひとり一人の興味・関心などを合理的に割り出すことも可能となる。

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