トヨタ、「個別マーケティング」強化へ布石 総合サイト「GAZOO」を一新、本サイトと会員制度統合
スマートフォンやタブレットなど、無線でつながる端末(デバイス)の普及により、ますます人々の生活に密着しているインターネット。ネット(オンライン)と現実社会(オフライン)の相互連携により、ビジネスを活性化しようとする「O2O」(オンライン・ツー・オフライン)という概念が最近注目されているように、ネットをいかにビジネスに活用していくかは、ネット系企業だけでなく、リアルな商品・製品、サービスや店舗を持つリアル系企業にとっても大きな課題となっている。
その一つが、ネットを使ってリアルビジネスにつなげるためのマーケティングや販促の強化だ。世界一の自動車メーカー、日本最大の企業であるトヨタ自動車も例外ではない。
トヨタは4月26日、同社が運営する自動車に関連するさまざまな情報・サービスを提供する総合サイト「GAZOO.com(ガズー・ドット・コム、=タイトル下写真はトップページ=)」を5月30日にリニューアルすると発表した。
SNSを採用、リアルとの結び付き強化も
今回のリニューアルでは、昨年から提携している日本マイクロソフトのサービスを活用したサイト運営のプラットフォームを採用する。ユーザー同士やユーザーとクルマがつながるという観点から、新たにSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を導入、FacebookやTwitterとの連携も図る。また、新しいデバイスへの対応として、スマホに対応した独自コンテンツやアプリを提供するとともに、ネットとリアルのドライブ、つまりオンラインとオフラインの結び付きをより強める取り組みなども進める。
ガズーは月間約165万人が訪問するサイトで、1998年からトヨタが運用している。当初は販売店の支援などを目的に中古車情報の提供などから始め、徐々に提供する情報やサービスなどの内容を拡充してきた。
トヨタはガズーのリニューアルから1年後をメドに、「月間利用者数200万人を目指すとともに、現在アクセスの3割程度のスマホ比率を5割程度まで高めたい」(トヨタe-toyota部の山田博之部長)。