「飲む日焼け止め」は効くのか、効かないのか 科学的に効果は証明されていない
新しいタイプの日焼け止め製品が人気だが
スコット・カイル(53)はカリフォルニア州サンクレメンテに住む船員だ。毎朝、船に乗る前にUVOというオレンジ風味の「ドリンクタイプの日焼け止め」を飲むのが日課になっている。
製造元によれば、UVOにはビタミンがたっぷり含まれているほか、30種類の抗酸化物質や皮膚を日光によるダメージから守り、修復を助ける栄養素も入っているという。米国では、インターネットや日焼けサロンや薬局などで売られている。
「普通なら日焼けでひりひりした状態が2~3日も続くのに、今ではそれがない」とカイルは言う。「仲間たちにも飲ませたら、みんな違いに気がついた。今ではみんな、私のところにやってきては『今日はUVOを持ってきたか?』と聞くんだ」
カイルだけではない。アウトドア愛好家の間では、日焼け止めローションやジェルをいちいち塗らなくても紫外線から肌を守ることができるとうたった新しいタイプの日焼け止め製品の人気が広がっている。もっとも、効果のほどについては科学的にはほとんど証明されていないし、副作用があるかどうかもはっきりしていない。
ニューヨーク郊外の保養地ハンプトンズでは、海水浴客がヘリオケアというオレンジ色の錠剤をあたかもパーティドラッグのように飲んでいる。ヘリオケアは中南米原産のシダから作られていて、製造元によれば紫外線で痛んだ肌の回復力を高め、若々しさを保つ効果があるという。