「嵐」チケット転売の20代女が逮捕された理由 なぜ「古物営業法違反」なのか

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――なぜ、逮捕されたと考えられるか?

チケットを転売した人が、古物営業法で逮捕されるのは珍しいことです。今回のケースは「無許可で金券ショップをやってしまった」と考えると分かりやすいでしょう。

報道によると、女性の直接の容疑はチケット5枚の販売ですが、1年半で1000万円ほどの売り上げがあったと言います。この反復性・継続性から、「営業」としてやっていると判断されたのだと思われます。ただし、盗品の売買防止という法律の趣旨からすると、微妙な部分もある気はしますね。

許可があってもほかの法律に抵触する可能性も

――転売した枚数が少なかったら?

1~2回くらいでは「古物営業法違反」で逮捕されることはないと思います。過去には、ネットのオークションで手に入れたSMAPなどアイドル関係のチケットを金券ショップに転売し、200万円以上の利益をあげたとして古物営業法違反容疑で逮捕された事例もありますが、これも利益の大きさから「営業」と判断されたと思われます。

なお、今回のケースでは、許可を受けていれば「古物営業法」で逮捕されることはなかったでしょうが、許可があれば転売し放題かというとそうではなく、ほかの法律に抵触する可能性があります。

――たとえば、どんな法律があるのか?

よく見かけるのは、都道府県が定めた迷惑防止条例違反での逮捕です。多くの都道府県では、転売目的でチケットを購入することや、「公共の場所」で転売することを禁止しています。ただし、ネットオークションは「公共の場所」とは言い難く、チケットを大量に購入するなど、転売目的が明確でないと逮捕されにくい傾向があります。

このほか、チケットを高値で転売したとして、「物価統制令」違反で逮捕された例もあります。また、主催者が転売されたチケットでの入場を禁止している場合は、使用できないチケットであることを知りながら転売したとして、詐欺罪が成立する余地もあるでしょう。

――今回の逮捕による影響は?

ネットの転売で、ここまでの利益をあげる人は珍しいのではないでしょうか。反復性や継続性が認められれば、古物営業法に抵触する可能性がありますが、すべてのネット転売に適用されることはないと思います。

とはいえ、転売目的のチケット購入は、ほかの人の迷惑になりますので控えるべきでしょう。

岡田 崇(おかだ・たかし)弁護士
日本弁護士連合会・消費者問題対策委員会委員
事務所名:岡田崇法律事務所

 

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