JX、エネルギー・金属資源開発へ巨額投資 “世界有数"企業狙い3年で4割増益の計画

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松下功夫社長は「世界基準に照らして高い競争力がある企業を目指す」

第1の注目点は、15年度の経常利益4000億円以上の達成可能性。これは在庫評価益を除いたベースであり、12年度は約3000億円だ。

JXでは、具体的に15年度に4200億円の目標を掲げているが、その達成のためにまず既存事業の構造改革継続で100億円上積みするほか、“大型戦略投資”からのリターンで1100億円を新たに稼ぎ出すという。

大型戦略投資のリターンの内訳としては、14年から生産を開始するチリのカセロネス銅・モリブデン鉱山を中心とした金属部門で450億円。昨年12月に買収した英国北海の油ガス田権益や14年生産開始予定のパプアニューギニアでのLNGプロジェクトなど開発部門で450億円。さらに14年度から韓国SKグループとの合弁で韓国で生産開始するパラキシレン事業などエネルギー部門で200億円を見込んでいる。

開発投資ではカタール、北海のほか佐渡沖での試掘も

第2の注目点は、設備投資・投融資を1兆3000億円以上に大幅に増やすという計画の中身だ。

うちエネルギー部門への投資が5400億円。14年3月に石油化学工場化する室蘭製油所や、八戸・釧路LNG基地の立ち上げ、SDAピッチ(石油残渣物)による発電のための投資のほか、グループの年間供給能力を312万トンへ約2割増強する韓国パラキシレン計画や同じく韓国での潤滑油事業などに投入する。

また、開発部門への投資が2800億円。この中には、13年春から実施する新潟県佐渡南西沖の石油・天然ガス試掘調査や、カタールA鉱区での探鉱、17年から生産開始予定の英国北海マリナー油田開発、パプアニューギニアLNG計画などが含まれる。

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