「朝活」に対応?鉄道各社も「朝型」電車を増発 始発繰り上げや早朝重視のダイヤ改正広がる
同様の例は京王電鉄でも見られる。同社は昨年9月の改正で、京王八王子駅(東京都八王子市)発の始発列車を従来の「区間急行」より速い特急とし、時刻も9分繰り上げて4時42分発に変更。新宿駅に着く時刻は5時21分と、従来より24分も早くなった。
この時間に新宿駅に着けば、東京駅6時00分発の新幹線はもちろん、JR山手線に乗り換えて日暮里駅で成田空港行きの京成電鉄特急「スカイライナー」の始発列車に乗り継げば、成田空港には6時42分に到着できる。始発の時間を繰り上げ、かつ速い特急に変更したことによるメリットだ。
京王は近年、ダイヤ改正のたびに早朝時間帯のテコ入れを行ってきた鉄道の一つだ。同社はこれ以前にも、2011年春のダイヤ改正(当時は「改定」)で、朝6時台に京王八王子から新宿への「準特急」を新設し「早朝準特」としてPRするなど、首都圏の大手私鉄の中でも早いうちから早朝のダイヤ充実を図ってきた。今年9月に行う改正でも、相互乗り入れを行う都営新宿線への直通列車運行開始時刻を繰り上げる。
「6時台に乗る人が増えてきた」
早朝の電車は、当然ながらラッシュのピーク時に比べれば余裕がある。朝5時台~6時台前半だと、1時間ほど後には多くの利用者で混み合うはずのホームもまだまだ空いている。ピーク時のように、前に電車が詰まってノロノロ運転が続くこともない。
実際、早朝時間帯の電車を愛用する通勤者は増えているようだ。高幡不動から都心の職場まで、15年ほど京王線を利用して通勤しているという40代の男性会社員は「以前は6時台の電車に乗っても座れたが、いまは5時台じゃないと座れないくらいで、早朝に出勤する人が増えたなと感じる」と話す。「それでも7時台のラッシュに比べれば全然楽」。できればラッシュ前の早い電車で出勤したいと男性はいう。
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