キャリア自律を促進する「博報堂大学」 人材育成理念を中馬淳・人材開発戦略室室長に聞く

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「博報堂大学」の目的の1つは、プロフェッショナルを目指す社員を支援することにある。そのために「構想ベーシックス」の必修プログラムが終了した後に「ソリューションNOW」という研修を用意している。2週間で数十コマの研修があり、手挙げ型で参加者を募集する。

部署長や部門長などの管理職はプロフェッショナルから任用される。ただし博報堂では、管理職がプロフェッショナルの上位の職階と位置づけられているわけではない。

自分自身の過去を振り返る

――「博報堂大学」で開始されたキャリアデザインプログラムの内容を教えてください。

10年度に開始した自律型キャリア開発プログラムで、対象年齢は32歳、42歳、54歳だ。Career Designの頭文字を取って、CD30's、CD40's、CD50'sと呼んでいる。全員参加型の講演会と公募型のワークショップから成っている。自律型キャリアといってもCD50'sはエンディングに向けた準備というニュアンスが強く、主体はCD30's、CD40'sだ。

このようなプログラムを設けた理由は、日頃の多忙な業務の中で自分のキャリアについてじっくり考える暇がないからだ。こうした場を節目に作ることで、自分自身の過去を振り返り、将来やりたいことを見つめ直し、同時に会社の未来を考えつつ、これからの自分を考えていく機会を提供する。

ワークショップは2日間の泊まり込みで実施しており、参加者全員が腹を割って互いのキャリアを話し合う。また専用のレゴブロックで立体を作る研修も取り入れている。

レゴブロックを取り入れたときは、その効果について半信半疑だった。しかし実際にやってみると効果は大きい。たとえば「博報堂大学をカタチにしなさい」というテーマを与えられて、無心に手を動かして立体物を作ると、そのプロトタイプに無意識に込めていた意味に気づくことがある。商品開発でもまず何かしらのプロトタイプを作ってコンセプトを固めていく手法があるが、それに似ている。

10年、11年と年に数回のキャリアデザインプログラムを実行して、手応えを感じている。これからさらにプログラムを進化させていく。

中馬 淳
人材開発戦略室 室長。
1985年、博報堂入社。主にPR局、研究開発局でコーポレートコミュニケーション、コーポレートブランディングなどの業務に従事。2003年、研究開発局グループマネジャー、08年、経営企画局局長代理、12年より現職。学習院女子大学非常勤講師。

(撮影:尾形文繁)

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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