米新規失業保険申請件数は26.4万件に減少 労働市場の「底堅さ」を示唆

拡大
縮小
6月9日、米労働省が発表した新規失業保険申請件数(6月4日までの週)は、季節調整済みで前週比4000件減の26万4000件となった。27万件への増加を見込んでいた市場予想に反し減少した。写真は2014年9月、ボストンで(2016年 ロイター/Brian Snyder)

[ワシントン 9日 ロイター] - 米労働省が発表した新規失業保険申請件数(6月4日までの週)は、季節調整済みで前週比4000件減の26万4000件となった。27万件への増加を見込んでいた市場予想に反し減少した。

5月の雇用統計では雇用者の伸びが急減速したが、労働市場が依然力強いことを示唆した。

新規失業保険申請件数はこれで健全な労働市場の目安とされる30万件の節目を66週連続で下回った。これは1973年以来の長さ。

前週分は従来発表から1000件増えた。

労働市場のすう勢をより正確に示すとされる4週間移動平均は7500件減の26万9500件。

労働省のアナリストは、統計に影響を与える特殊要因はなかったと述べた。メリーランド州だけが推定値だった。

受給総数(5月28日までの週)は7万7000件減の約210万件と、2000年10月以来の低水準を記録した。受給総数の4週平均も1万7500件減って215万件となった。

被保険者の失業率は0.1%ポイント低下の1.5%と、過去最低を記録した。

バークレイズのエコノミスト、ジェシー・ハーウィッツ氏は「企業は人員を削減していないようだ」とし、「向こう数週間に採用活動が活発化し、雇用全体の伸びも持ち直す」と予想する。

RDQエコノミクスの首席エコノミスト、ジョン・ライディング氏は「労働市場の引き締まりという基調的なトレンドは変わっていない。問題は雇用のミスマッチであり、これは雇用市場の引き締まりの兆候だ」と述べた。

関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT