ドルが上昇、それでも円高の「謎」 米利上げ、「強い小売売上高」で観測高まる

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 5月13日、NY外為市場では、ドルが主要通貨バスケットに対し2週間ぶりの高値をつけた。写真は100ドル札と1万円札。2013年2月東京で撮影。(2016年 ロイター/Shohei Miyano)

[ニューヨーク 13日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨バスケットに対し2週間ぶりの高値をつけた。予想を上回る伸びとなった小売売上高統計を受けて、米連邦準備理事会(FRB)が年内に1回以上利上げするとの見方が強まったもようだ。

ドルはユーロとスイスフランに対しても2週間ぶり高値をつけた。

4月の小売売上高は前月比1.3%増と昨年3月以来1年1カ月ぶりの大きな伸びとなり、市場予想の0.8%増を上回った。第1・四半期にほぼ失速状態に陥った米経済が勢いを取り戻しつつあることを示唆した。

自動車やガソリン、建材、食品サービスを除いたコア売上高は0.9%増加。伸びは3月の0.2%増から加速、市場予想の0.3%増も上回った。

BNYメロンのサマルジット・シャンカー氏は、小売売上高を受けて「FRB内のタカ派が再び勢いを増す可能性がある」と話す。

ドルは今年1─4月に急落し、1年4カ月ぶり安値をつけた。世界経済や金融市場の混乱をめぐる懸念から、FRBが年内少なくとも2度の利上げを行う公算は小さいとの見方が広がったためだ。だがこうした不安が和らぐ中、一部では利上げ観測の後退は行き過ぎの可能性があり、ドル相場の潮目が変わりつつある兆しとの見方も出ている。

終盤の取引で、ドル指数<.DXY>は0.5%上昇の94.609と、1日としては1週間超ぶりの上げとなった。

5月の米ミシガン大消費者信頼感指数が95.8と、市場予想の90を上回り、昨年6月以来の高水準となったことも追い風となった。

ユーロ/ドル<EUR=>は0.6%安の1.1304ドル。第1・四半期のユーロ圏域内総生産(GDP)改定値が前期比0.5%増と、速報値の0.6%増から下方修正されたことは材料視されなかった。

ただドルは円に対しては値を下げ、0.4%安の108.60円をつけた。

ドル/円 NY終値 108.60/108.63

始値 108.91

高値 109.48

安値 108.59

ユーロ/ドル NY終値 1.1305/1.1311

始値 1.1344

高値 1.1355

安値 1.1283

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