1人気を吐く富士重工業 ”六重苦”には負けない
SUV(スポーツ多目的車)の人気が高い米国市場に的確な商品が投入できていると同時に、スバルブランドの価値向上によって、中古車市場でのリセールバリューで高い評価を得ていることも米国好調の要因と考えられる。
国内は軽自動車の自社生産撤退影響で今期の軽販売が5.2万台(前期は9.2万台)と大幅に落ち込む一方で、登録車の販売は米国と同様、インプレッサの販売が好調で、10.8万台(前期は8.0万台)と販売が伸びる見通し。採算性の高い登録車の販売が伸びることで軽自動車の販売減少の影響を食い止める格好だ。
一方、中国では尖閣問題の影響で日本メーカーが販売を落としているが、富士重工も同様に12年(暦年)販売見通しを当初計画の6.2万台から4.0万台に下方修正した。ただ、全体の販売に占める割合は小さく業績への影響は軽微とみられる。
今期の営業利益は製造固定費や広告宣伝費の増加などで637億円の減益要因を見込むが、国内外での販売台数増や車種構成の改善で832億円、原価低減活動で274億円の増益を見込み、通期で380億円の増益を計画している。配当予想についても9円から10円に上方修正した。
11月中旬にはレガシィ、インプレッサに続く富士重工の主力車種のSUV「フォレスター」のモデルチェンジの発表を控えており、SUVが人気の北米でさらに販売台数を上積む可能性もある。(タイトル横の写真は10月5日に発売した新型車「インプレッサXV」)
(又吉 龍吾 =東洋経済オンライン)
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