カープ新井が独白!「元職場」で生きる覚悟 2000本安打を達成した39歳の熱い思い
他球団からのオファーも、人づてには聞いていたが、もうそれは選択肢にはなかった。年俸面などで厳しい条件になるとか、そういうこともいっさい頭になかった。「帰ってこい」と言ってもらえただけで、本当に嬉しかった。それで十分だ。そして何より、復帰を決断した一番の理由は、やはり自分はカープが好きだ、ということだ。これだけは間違いない。
「これでケガをしたら仕方ない」という覚悟
カープを離れて8年が経っていたが、チームの印象はあまり変わっていなかった。若い選手が多くなったというのはあったが、雰囲気は何も変わっていなかった。チームには自然と合流できた。なんとか受け入れてもらえたと思った。後はファンの人たちだ……。
「中途半端な気持ちで帰ってきたわけじゃない」
キャンプでは首脳陣はもちろん、チームメイトにも、ファンにもそれを示したかった。ぎりぎりまで、自分をガンガン追い込んで、それでケガをしてしまったら仕方がない、というぐらいの気持ちでやった。
年齢とともに、筋力的なものは間違いなく衰えている。だからここ数年は、キャンプは調整の場、という気持ちもあったが、この年に限ってはケガをしてダメになったら、もう野球をやめる、一軍で戦力になれなかったら引退する。本気でそう思って練習に取り組んだ。
それぐらい覚悟を決めて帰ってきたということを、若い選手にも、昔一緒にやっていた選手にも、裏方さんにもわかってもらいたかった。最初の頃は若手も、「新井さんはどんな感じでやるのだろう?」と見ていたはずだし、実際に見られている感もすごくあった。
肉体的には本当にキツくて、しんどいキャンプになったが、精神的には、ここ数年感じられなかったほど、充実したキャンプだった。
心配していたファンの人たちの反応も、自分が思っていたのとは違っていた。キャンプが始まると、ファンの人たちは、とても温かく迎えてくれた。罵声どころか、「お帰りなさい」と言ってくれた人もたくさんいた。驚いたのを通り越して、感激してしまったほどだ。
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