外資系金融の終わり 藤沢数希著
顧客との利益相反のオンパレードにもかかわらず、事が起これば、「大きすぎて潰せない」ために多額の税金が注がれる。それでも、わが物顔で世界を闊歩する金融コングロマリット(外資系金融)。この怪物にどう対処すべきなのか。
規制に縛られた「公益企業」にする一方で、金融技術を駆使して必要な資金をファイナンスしてきた、従来の役割をどこが肩代わりするのか。著者は、インターネット技術の急速な発展を活用して、このコングロマリットにリスクを集中させる未来ではなく、「暗黙の政府保証など何もない、無数のヘッジファンドや、個人経営のブティック投資銀行にリスクが分散された未来」が進むべき方向だと説得力十分に論述する。
就活学生の羨望の的になっている外資系金融の知られざる生態は、それなりに面白い。それもリーマンショックを境に大きく変化し、コングロマリットさえ安閑としていられない姿がよく描写されている。
ダイヤモンド社 1680円
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