「行動で不確実性の解消を」--ラガルドIMF専務理事
48年ぶりの日本開催となった国際通貨基金(IMF)・世界銀行総会で、IMFのラガルド専務理事は11日に会見を行い、「成長の減速が新興国やアジアにも影響が及んでいる。欧米やほかの地域でも不確実性が高まっており、意思決定者が投資や雇用など付加価値の創出に踏み切れないでいる」と、景気減速の背景を説明した。
将来に向けた取り組みについて、金融セクターの改革、各国の財政改善、雇用を伴う経済成長、グローバルの不均衡の是正の4点を挙げ、金融セクターの規制改革がまだ発展途上であること、雇用では「先進国の若者の失業率が受け入れがたいほどに高い」と話した。
さまざまな不確実性を解消するためには具体的な行動が必要として、ユーロ圏の危機克服に向けた取り組みを改めて促した一方、「一部のプレーヤーは行動に移している」と前向きに評価したのは、米国や欧州、英国、日本など先進国の中央銀行による金融緩和の動きだった。6月にIMFが日本の経済審査結果を公表した際も、IMF筆頭副専務理事であるデビット・リプトン氏が「日本はより金融緩和を行うべき」と述べていた。
しかし、国際決済銀行(BIS)が6月に公表した年次報告書では、「金融政策の限界」として過度な金融緩和政策がとられることの副作用を指摘している。各国が債務削減に追われ財政出動が行いにくい中、金融緩和だけに依存する状況は望ましいとはいえない。回復に向けた取り組みは、さまざまな政策のバランスがより重要になる。
(井下 健悟 撮影:尾形 文繁=東洋経済オンライン)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら