M&A、「相手選び」ですでに危うい典型パターン 結婚相手探し同様「高すぎる理想」は考えもの
このように結婚相手を探す方法はたくさんあるが、実はM&Aにおいても、対象企業を探す方法はたくさんある。
「この企業を買えればこういうことが出来るかもしれない」と、好意と興味を持ってアプローチする場合もあれば、取引先企業や顧客企業が対象企業になることもある。あるいは、証券会社に売り案件として対象企業を紹介されることもあるし、買い手の方から「こういう企業の売り案件があったら教えてくれ」と斡旋を頼み、運よく該当する対象企業を紹介してもらえるケースもある。
ここで、結婚でもM&Aでも共通する本質があるので、ご紹介したい。1つ目は、「昔から知っている相手であれば情報が多いため、後のサプライズが少ない」ということだ。
相手の「素性」は、ちゃんとわかっているか
結婚において、これまで友人だった人が、恋人に発展し、後の結婚相手になることもあるだろうが、M&Aにおいても同様で、これまで取引のあった仕入先や顧客が買収対象企業となるケースが多い。理由は簡単、これまでの付き合いで相手の「素性」がよく分かっているからだ。
素性が分かっている分、一緒になったときにどういう人生が送れそうか、つまり、統合すればどのような経営戦略が実現できるのかがイメージしやすい。M&Aにおける対象企業探しの中で、最もアプローチしやすい方法と言っても過言ではないだろう。
2つ目の共通点、それは「持ち込まれ案件は微妙なことが多い」ということだ。「伯母さんの紹介でお見合いをしてみたけれども、相手は何とも残念な人だった」……。こういうシーンはテレビドラマでもよく見られる。そもそも、「結婚したい」と年中言っているにも関わらず、なかなか結婚に至らない人は、これまでによほどいい縁に巡り合ってこなかったか、あるいは、本人に何かしら問題があるのかもしれないと考えてしまうのは、自然な流れだろう。
M&Aの世界も同様で、基本的に「売り手市場」であり、魅力的な企業はすぐに買われてしまう。一方で、証券会社から紹介される案件には気をつけたほうがいい。すべてとは言わないが、売れ残り案件には“裏”がある。
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