業界初のポイントサービスで商機広がる--住岡浩二・日立建機日本社長《キーマンを直撃》
--社員はうまく対応できていますか。
今まで販売営業だけやっていた人はレンタルに興味がなく、お客さんが「借りたい」と言ったら「借りずに買ってください」という営業をやっていました。一方レンタル営業は、「買うのよりもレンタルがいいですよ」と。これを4月からは全員両方やりなさいということにしました。
われわれは「現場丸ごとお任せください」と言っていますので、現場に行ったらレンタルの話も、販売の話も、サービスの話も何でもしてこないといけません。内部ではけっこうな反発がありました。たとえば販売営業からは、「レンタルまでやったら仕事が増える」と。意識改革は大変でしたが、以前のレンタル営業による日立建機の新車販売が、まだ少ないとはいえ、前期比で約3倍になりました。
それから、販売営業によるレンタルの受注が4倍くらいに増えました。1~2年のうちにもっともっと対応力を強化していかないといけませんが、今のところは非常にうまくいっていると思います。
--どのようにして、全国の拠点の社員に新会社の考え方を浸透させていったのですか。
当初、16年の利益目標を決めました。何をやれば目標に到達できるか、営業所ごと、個人ごとに全部分解しました。今まで販売しかやらなかった人に、レンタルとサービスの予算も持ってもらっています。レンタルしかやっていなかった人には、販売とサービスの予算も持ってもらうようにしました。ウエート付けの強弱はありますが、社員個人はその達成度合いで人事評価を行います。拠点単位でも、レンタル、販売、サービスそれぞれの目標値の達成率で評価します。すべてをやらないと評価されないということになっています。
■反発した社員の意識も変化
最初は、「そんな絵に描いた目標値、作れというなら作るが、やっても意味がない」、と社内から強い反発を受けました。ですが、当初そうやって反発した人の意識が、去年の終わりにはもう変わっていました。さらに、意味がないと言われていた16年の目標値も高い目標を立てたつもりでしたが、今年ほぼクリアできる見通しです。