業界初のポイントサービスで商機広がる--住岡浩二・日立建機日本社長《キーマンを直撃》
日立建機は今年4月、本社の国内販売・サービス部門とレンタル子会社を統合し、新会社「日立建機日本」を立ち上げた。
日立建機日本は6月、建機業界初のポイント制度を導入した。これは油圧ショベルなどの建機のレンタル、購入、修理でポイントが付き、家電、食品、旅行券等に交換できる仕組みだ。新会社誕生から半年、ポイント制度開始から3カ月が経った今、日立建機日本の住岡浩二社長(=写真=)にポイントの効果や新体制の出足を聞いた。
--建機でポイントという意外な組み合わせが話題を呼びました。ポイント制度を導入したきっかけを教えてください。
建機のレンタル、購入、サービス(修理)のうち、2種類以上の複数取引をしてくれるお客さんを増やしたいというのが始まりです。半期の間に2種類の取引をすれば次の半年の取引に付くポイントが2倍に、3種類全部の取引をしていただくとポイントが3倍になります。複数取引をする顧客は現状で全体の約10%ですが、その顧客向けの売上高は1つだけの取引をする顧客の5倍多く、売上高全体の半分を占めます。
--ポイント導入ですでに効果は出ていますか。
6月21日からスタートして、まだ3カ月くらいですが、加入社数はものすごく順調に増えています。平均で毎日100社、1週間で500~600社増えていて、9月12日現在で5500社くらいが入っています。ポイント制度の対象顧客は個人事業主を中心に実質約1万社ですが、もう半分くらいが加入してくれました。
複数取引も非常に順調に増えており、2012年4~6月期(第1四半期)だけで前期から555社(15%)増えています。今はもっと多くなっているでしょう。このうち6割は、もともとレンタルだけだったのが、サービス(修理や整備など)も当社と取引してくれるようになった。3割はサービスだけだったのがレンタルも当社から行ってくれるようになりました。
残りの1割は、まったく取引がなかったところがいきなり複数取引を始めてくれました。新しいお客さんにポイント制度で勧誘をして、レンタルや新車購入につながったという話が出てきています。ポイント効果は非常に大きいと思いますね。