マクドナルド株主総会、最悪の業績に株主は? 謝らないカサノバ社長、目立った下平副社長

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3月29日、日本マクドナルドHDの株主総会が開かれた。過去最悪の赤字に陥った業績に対して、経営陣の責任を追及する株主の声はなく、やや前向きなものだったとも言える

「マクドナルドの45年にわたる歴史上、2015年は最も厳しい年だった。この結果を重く受け止めている。全体がチーム一丸となっておこなった取り組みにより、昨年後半から大きく勢いを取り戻すことができた。今年は明るい1年になると確信している」ーー。

株主総会の冒頭、2015年の取り組みを説明する中で、サラ・カサノバ社長はそう話した。

日本マクドナルドホールディングスは3月29日、東京都内で定時株主総会を開いた。出席した株主は985名(昨年度は1,237名)、開催時間は2時間34分(同2時間43分)と、前年よりもやや短かった。

質疑応答は約1時間半に及び、昨年より8人多い22人の株主が質問した。株主総会の議長は下平篤雄副社長が務め、株主からの質問に対して、補足を含めて半分以上を答えるなど、カサノバ社長よりも存在感が目立った場面もあった。

今年も報道陣をすべてシャットアウトして開かれた株主総会。東洋経済は昨年同様、出席した株主に取材して、全容をまとめた。株主と経営陣の主なやり取りは以下のとおり。

母親の声は「子供が大きくなると、量が足りない」

――マクドナルドも日本食など定食を置いてもいいのではないか

下平篤雄副社長:お客様はマクドナルドの美味しいハンバーガーを大変支持している。ハンバーガーを多くのお客様に提供するのが当面の間、ビジネスの根幹である。昨年から日本の食材を多く利用した様々なメニューを取り入れてきた。今後もお客様のご意見を聞きながら愛されるメニューを積極的に取り入れていきたい。

――ハッピーセットのメニューがしばらく変わっていない、もう少し子ども向けのメニューに力を入れることはできないのか。カサノバ社長が全国の母親の意見を聞いて回ったそうだが、子どもの意見も聞いて商品開発をしてほしい。

サラ・カサノバ社長:私が母親の意見を聞いてまわったとき、ハッピーセットもずいぶん話題に上がった。子どもがマックに来るのはおもちゃが好きだからというお答えだった。最も多くの意見があったのは「ハンバーガーの量が少なく、子どもが大きくなると足りない」というものだった。今、マーケティング、メニューのチームが新しい商品を開発している。

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