ホンダが新型軽「N-ONE」に賭ける思い 団塊と若者の両方狙う

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N-ONEの目標販売台数は月間1万台を掲げるが、すでに先行予約が約9000台に達した。国内販売を担当する峯川尚・ホンダ常務執行役員は、「実車がない先行予約での9000台はいい数字」と話す。軽自動車を担当する松本宜之・ホンダ常務執行役員も「スタート段階での手応えはN BOXと同等かそれ以上」と明かす。

「フィットを超える軽」がキャッチフレーズ 

N ONEで狙うターゲットは、税金など軽自動車ならではの優遇に魅力を感じつつも、走行性能や質感、安全性は犠牲にしたくない、というマーケット。N BOXなどの軽自動車と、フィットなど経済性が高い排気量1~1.5リットル級のコンパクトカーの間にポジショニングしている。「フィットを超える軽、優遇のあるフィット」(浅木氏)というのがいわばキャッチフレーズだ。

具体的には、子どもも独立して大きなクルマは不要になり経済性も求めたいが、かといって安っぽいクルマには抵抗がある「団塊世代」をメイン層としつつ、初めてクルマを保有する若年層の取り込みも狙う。

浅木氏が開発でもっとも気を遣ったのが、「軽」が持つ“生活臭”“チープ感”をいかに減らすかと言うことだ。若者層はそもそもクルマへのこだわりが薄れているので「軽」だからといって特別な感覚は持たないが、主顧客と位置づける団塊世代には、軽への乗り換えは「ダウングレード」に感じられ、抵抗感がある。

「やむなく軽を選んだのではなく、このクルマだから選んだ、と言えるような仕上げを目指した」(浅木氏)。1.5リットル級の加速性能を実現するターボ(過給器)搭載モデルの設定や、実質標準装備の側面カーテンエアバッグなど、モノによってはコンパクトカー以上の性能・装備もさることながら、最大の特徴は多彩なカラーリングだ。

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