ザッカーバーグ「親中派戦略」は功を奏すか 派手なパフォーマンスで政府上層部を懐柔
国営メディアによれば、会談で劉はフェイスブックの技術力をほめたたえる一方で、「中国的な特色を備えた」ネット統制(つまりネットに対する検閲と監視のこと)の重要性を強調したという。
国営新華社通信によれば、これに対しザッカーバーグは、先進的なネットを築き上げてきた中国を賞賛するとともに、「サイバースペースにおけるよりよい世界を作るために」中国のネット企業と協力していきたいと述べたという。
フェイスブックの広報からのコメントは得られなかった。
ザッカーバーグは「中国の義理の息子」
18日、ザッカーバーグは天安門広場の毛沢東の肖像画の前を笑顔でジョギングする自分の写真を投稿した。ここが1989年の天安門事件の舞台になったことや、この日の朝の大気汚染が危険な水準だったことには触れなかった。
19日の馬との対談でも、ザッカーバーグは微妙なテーマには触れず、人工知能や起業家のモチベーションについての話題などに終始した。ザッカーバーグはまた、将来のハイテク分野における労働者不足の解消につながるとして、中国が工学教育を重視していることを称賛した。
「一般的に、世界各地で大学出の優秀な技術者の数をめぐり大きな制約が生じている」とザッカーバーグは述べた。「だが中国は長きにわたって(工学の重要性を)強調することでこの問題を解決してきたと思う」
中国の国営中央テレビはソーシャルメディアに、ザッカーバーグと妻(中国系米国人のプリシラ・チャン)の写真を使ってこんな投稿をした。写真の横にはマンガのキャラクターがいて「中国の義理の息子よ!」と叫んでいるのだ。
(執筆:Paul Mozur記者、翻訳:村井裕美)
(c) 2016 New York Times News Service
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