政権交代で再生する日本のデモクラシー--イアン・ブルマ 米バード大学教授/ジャーナリスト

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民主党の政策はすばらしい

民主党の勝利がすぐに大きな変化をもたらすことはないかもしれない。鳩山由紀夫首相は華麗な政治一族の御曹司であるが、カリスマ性に欠けている。ただ民主党の掲げる政策はすばらしい。彼らは、政治家により多くの権限を与え、官僚の介入を減らし、アメリカから自立し、アジアの近隣諸国と友好な関係を樹立し、大企業ではなく有権者に大きな権力を与えようとしている。

もちろん、鳩山政権がこうした政策を実現できるかはまだわからない。しかし、だからといって政権交代の重要性を過小評価するのは誤りだ。もし民主党が短期間で改革を実現できなかったとしても、「有権者が変革を選んだ」という事実は日本の民主主義を活性化させるだろう。仮に保守的な二つの政党が競い合う1920年代の民主主義のようになったとしても、一党支配よりははるかによい。反対があるほうが、ないよりもよい。それは政府を緊張させるのだから。

加えて、一党支配の拒否は、国際的な反響を呼び起こすだろう。日本は、政権交代が西欧の幸運ないくつかの国に限定されるものではないことを明確に示したのである。

Ian Buruma
1951年オランダ生まれ。70~75年にライデン大学で中国文学を、75~77年に日本大学芸術学部で日本映画を学ぶ。2003年より米バード大学教授。著書は『反西洋思想』(新潮新書)、『近代日本の誕生』(クロノス選書)など多数。

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