エンタメ化する「炎上」にどう向き合うべきか スピードは加速しているがレベルは低下中
誰もが激怒しているが、誰も気にしていないのだろう。
いつもブランドが過ちを犯した際に、大量に寄せられる暴言。担当者はできる限り対応するよう教育されているが、あまりにも大量のため、それが不可能になっている。そして、ブランドが問題を抱えるとき、いつもオオカミ少年たちが騒ぎ出すため、どれくらいケアすれば良いのかも分からない。
「私たちは苦しんでいる」
米レストランチェーンのチックフィレイや米貨物運送企業UPS、コカ・コーラなどにサービスを提供しているエージェンシーのモクシー(Moxie)。そのCEOであるショーン・リアドン氏は、「私たちは苦しんでいる」と話す。「ひとつひとつに対応していたら、それだけに1日を費やしてしまう」と、彼は指摘する。
ソーシャルメディアに対する怒りも文化となってきた。ブランドが引き起こす、すべての失敗は「大ごと」もしくは「恥ずべきこと」となっている。また、ブランドが何かしらのミスをすると喜んで糾弾する者もいるが、この人たちも実は無害だ。いままで以上にブランドはイメージの保護を求めているが、それを請け負うエージェンシー側は対応しきれなくなっている。
「消費者は優勢側につく。私がクライアントに言いたいことは、ブランドが犯した失敗などはすぐに忘れてしまう、ということだ」と、とあるソーシャルエージェンシーのCEOはコメントした。消費者側の怒りを真剣に考えていないと、彼のクライアントに思われないよう、彼は匿名を条件に答えてくれた。