半導体産業の大再編がモノ作りの変化を迫る、「産業のコメ」国内自給体制に転機 



 NECがインテルに抜かれ、半導体世界首位の座を失ったのは92年だが、95年から日本の半導体産業は成熟段階となり、以後14年が経過した。しかも、その間に通信機器は電話交換機からルーターへ、電子計算機はパソコンへ移行するなど、従来の需要基盤も損なわれた。

注目すべきは集積回路と対照的に、設計・開発がほぼ不要で、増幅や整流など単機能の2極半導体や3極半導体(トランジスタ)など個別半導体分野は、国内生産が国内需要の伸びに追いつかなかった70年を底とする谷型曲線を描き、なお右肩上がりの輸出成長段階にあること。日本企業がすでに減価償却済みの装置で生産できることも一因だが、残念ながら日本の比較優位は、設計・開発が付加価値の源泉となる集積回路分野にはないことを示唆している。

もはや産業組織の面からも国際競争力の面からも、従来のすり合わせ型の設計・開発が困難なことは明らかだ。その象徴が論理回路分野でのNECエレクトロニクスとルネサステクノロジの統合なのである。

この統合で困る代表格は自動車産業だ。車載用電装品向けマイコン3強は米国モトローラから分離独立したフリースケール・セミコンダクタ、ルネサステクノロジ、NECエレクトロニクス。「複数購買を原則に日系2社を競わせ、不良品率が低く高品質なマイコンを安定的に調達してきたが、それが困難になるとして、日本の自動車メーカーは統合を嫌がっている」(半導体商社社長)のだ。

だが実は半導体産業側はその自動車産業の不満を承知のうえだ。「巨額赤字で、自動車メーカーが受注を激減させている今こそ、統合への千載一遇の好機」との声があるのだ。

従来すり合わせ型の半導体を調達してきた需要産業は、標準品の組み合わせ型の拡充へとモノ作りの転換を急ぐべきだ。
 
(石井洋平 =週刊東洋経済)

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