私大文系に通わせるなら700万円は覚悟せよ 大学の学費、トータル金額を知っていますか
関東圏に住む人なら、国公立大以外であこがれの進学先として早慶MARCH(早稲田、慶應義塾、明治、青山、立教、中央、法政の各大学)、関西圏なら関関同立(関西、関西学院、同志社、立命館の各大学)をイメージする人も多いだろう。これらの有力大学をはじめ、私大に通わせたいと考えるなら、相対的に学費の安い文系の4年制だとしても、子ども1人ざっと700万円はかかることを覚悟しなければならない。
国公立狙いでも、「捨てる」入学金の負担が意外と重い
まず、大学受験から入学までにかかる費用の平均は、子ども1人当たり102.2万円。この額は、高校受験~入学の3倍以上にも上る。同じ受験・入学といえども、大学では高校よりもはるかに家計への負担が大きい。
公私の別でみると、私大理系は109.9万円、文系は104.3万円、国公立大は83.2万円だ。ここには、大学へ納付する入学金だけではなく、受験費用および入学しなかった大学へ納付する入学金も含まれる。国公立大の場合、入学金自体は約40万円ながら、入学しなかった大学への納付金が平均11.7万円と、私大に入学する子どもの約2倍だ。
国公立大の入学試験は、前期日程が2月下旬(今年は25日)、中期・後期日程は3月(今年は3月8日、12日)であるから、私大を併願する場合には入学金の納付期限が国公立の試験日や合格発表よりも前に設定されることが多い。来年度に再チャレンジ、つまり浪人をせずに、4月からの進学先を確保するなら、私大に合格した時点で、国公立大の結果を待たずに入学金を払わざるをえない。
国公立大学への進学は私立大学に比べ費用がかからないイメージが強いが、実は受験から入学までの総額でみると、20万円ほどしか変わらない。
もし、私大に進学するとなった場合に、子ども自身がどの大学に進学するかを現時点でまだ決めかねているなら、2校、3校に入学金を納付することもありうる。それでも、結果として国公立に合格すれば、すでに支払った入学金は「捨てる」ことになる。また、入学手続きの際に初年度の学費も合せて納入する場合、他大学に合格した暁にはその学費は返還されるが、2万円ほどの手数料を差し引かれることもある。国公立志望であっても、私立大学の併願校が多いと、初めから私大狙いで受験するよりも、結果として受験費用が膨らんでしまうこともある。
来年度の予備校に備えた資金も必要?
国公立や難関大学を目指す受験生の場合は、いわゆる「滑り止め」大学への入学のほかに、来年度の予備校入塾も視野に入れることが多い。高卒生を対象とした予備校の多くは、2月から次年度の募集を開始する。予備校によっては、人気のコースは今年度の大学入試期間中であっても定員に達し、募集を締め切ってしまうこともある。今年度の結果を待たずして、来年度の「浪人」としての受け皿を確保すべく、入塾金の支払いが生じることもあるのだ。
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