カインズの品ぞろえは、ここまで徹底する ホームセンター1位が持つ圧倒的な力の秘密
この品数の豊富さこそが、カインズの人気の理由の1つ。なんと、その品数は……10万種類以上にも上る。
ホームセンターと業態は違うが、日本の大型スーパーでは約3万点の商品を扱っているという。アメリカ生まれの会員制小売りチェーン「コストコホールセール」の場合は約4000に絞り込んで採算を確保している。それと対比すると、カインズではこれだけ膨大な商品を取り扱って、逆に赤字にならないのかという心配になるが、消費者にとっては「カインズに行けば、なんでもそろう」という安心感となり、来店の動機に繋がっている。
驚きの価格を実現するコスト管理
カインズの豊富な商品の中でも特に人気なのが、オリジナル商品だ。いわゆるプライベートブランド(PB)である。生活雑貨はもちろん、家具や風邪薬、お米やカップ麺などの食品、さらには便座まで、多岐にわたるカインズのオリジナル商品の種類は1万3000種類以上もある。
注目は圧倒的な価格の安さだ。たとえば、大手メーカーの単三乾電池が880円なのに対してカインズオリジナルの単三乾電池の値段は、398円と半額以下。目薬は大手メーカーと比べて3分の1以下の値段!オリジナル商品は、およそ3割は安くなっている。
中でも、一番人気の商品がオリジナルビール。いわゆるビール系飲料、第3のビールと呼ばれるお酒だ。コンビニなどに置いてある第3のビールは、1本140円前後で販売されているが、カインズのオリジナルは 1本税込85円と超お買い得だ。
この商品に関しては、採算度外視でほとんど儲けがないという。もちろん、安い分だけ味が落ちるわけではない。消費者からは大好評で1億本以上売れる大ヒット商品となっている。つまり、集客の強力な武器になっている。それにしても、なぜここまで安く商品を提供できるのか。秘密は徹底したコスト管理にある。