ダボス会議は「世界市場急落」が議論の的に 金融危機の前兆なのか、そうではないのか
[ダボス(スイス) 20日 ロイター] - 20日に開幕した世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)の出席者の間では、世界的な市場の急落が議論の中心となっている。ただ、これまでのところ金融危機の前兆ではないとの見方が多い。
今年のダボス会議は、ロボットの台頭による雇用への影響やジェンダー格差、富の不平等といった多岐にわたる問題を議論するが、こうした中、MSCI世界株指数<.MIWD00000PUS>は2013年7月以来の低水準に落ち込んでいる。
今月、同指数は9.9%下落。この状態が続いた場合、世界的な金融危機終盤の09年以降で最大の月間下落率となる。
「2008年の再来とは思わない」
会計事務所KPMGのジョン・ビーマイヤー会長は20日、ロイター・グローバル・マーケッツ・フォーラムで「これが2008年の(危機の)再来とは思わない」とした上で、「とはいえ、特に中国の景気減速など市場に影響を及ぼしている重大なリスクの存在を否定しているわけではない」と語った。
中国の急速な景気減速に加え、原油価格が大幅に下落し、世界の市場に動揺が広がっているが、欧州委員会のモスコビシ委員(経済・財務・税制担当)も、再び世界的な金融危機の状態に逆戻りすることはないとの見解を示した。
ロイター・テレビジョンのインタビューで「金融危機が再発するとは思わない。ただ対応が必要なマイナス面もある」と指摘。「懸案事項はあり、中でも中国が困難で不透明感の強い移行期にあることは考慮しなければならない」と述べた。