初公開!首都圏鉄道「ノロノロ度」ランキング 朝のラッシュ時に最も遅いのはどの路線か

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では、最もスピードの遅い京王線と最も速い北総線で、表定速度が倍以上も違うのがなぜか。最大の理由は運行本数の違いだ。京王線は朝ピーク時1時間に30本が走るのに対して、北総線は11本。大量の乗客を運ぶために運行本数を増やすと、速度を落とさざるをえない。

京王、小田急、東急など東京西部を走る路線ほど、表定速度が遅い傾向がうかがえる。国土交通省は「東京圏西部方面については、他の方面と比較して、表定速度が低いことから、表定速度の向上に取り組むことが必要ではないか」と提案している。

どうすればスピードアップできる?

そのための対策としてまず考えられるのは、複々線化や退避線の設置だ。ただし、新たに線路を造るとなるとコストは莫大なものとなる。「国が鉄道会社に対して複々線化を迫ると『補助金を出せ』という話になりかねないので、国も強くは言えないのではないか」(関係者)との見方もある。

JR東日本は近年、新型車両を導入し、車両の性能向上によるスピードアップを図っている。新たに線路を建設するよりは安上がりだろう。

比較的コストがかからない対応策は、運行ダイヤの調整だ。西武新宿線のように、速達列車の停車駅を削減することでスピードアップした例もある。が、通過駅の大量の乗客をどうするか、という課題は残る。

逆に、混雑を平準化するために速達列車の停車駅を増やした結果、表定速度が低下してしまった東急田園都市線のような例もある。混雑解消とスピードアップという矛盾した命題の解決に向けて、鉄道会社が知恵を絞る日々はまだまだ続きそうだ。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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