新型コロナへの過剰反応をいつまで続けるのか

感染者や死者が少ない日本で弊害のほうが拡大

コロナで一喜一憂する状況から脱しないと日常は取り戻せない(写真:vichie81 /PIXTA)

対面型サービス業の苦境は続く

2021年1月に再発令された緊急事態宣言の影響は、2020年4~5月の緊急事態宣言時と異なり一部の分野にとどまった。日銀短観2021年3月調査では、輸出の増加を背景に製造業は大きく改善し、対面型サービス以外の非製造業も多くの業種で改善した。ところが、対面型サービス業 (運輸・郵便、宿泊・飲食サービス、対個人サービス)の景況感は悪化した。

また、法人企業統計の経常利益を見ると、2020年4~6月期に前年比マイナス46.6%と急速に落ち込んだ後、10~12月期には同マイナス0.7%まで減少幅が縮小した。対面型サービス業(運輸、宿泊、飲食サービス、生活関連サービス、娯楽)は大幅な減少が続いているが、製造業や対面型サービスを除く非製造業は前年比でプラスに転じている。

2020年4月の緊急事態宣言の影響で急速に落ち込んだ雇用者数はその後の持ち直しも緩やかにとどまっている。下押し要因となっているのは、やはり対面型サービス(運輸、宿泊・飲食サービス、生活関連サービス・娯楽)でそれ以外の業種では比較的順調に回復している。対面型サービスを除いた雇用者数はすでにコロナ前の水準に戻っている。

つまり、日本経済は全体としては新型コロナウイルスの打撃から立ち直りつつあるが、営業時間短縮要請や外出自粛などの影響を強く受ける対面型サービス業が完全に取り残されている。今後も、緊急事態宣言は解除されたものの、「まん延防止等重点措置」が適用されるなど、環境は依然として厳しい。

次ページ新型コロナの被害とワクチンの効果
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 岐路に立つ日本の財政
  • 貧困に喘ぐ女性の現実
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • コロナ後を生き抜く
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本初、「工場を持たない」EVメーカー誕生の衝撃
日本初、「工場を持たない」EVメーカー誕生の衝撃
面接や説明会で採用者が嫌う「9つのNG質問」
面接や説明会で採用者が嫌う「9つのNG質問」
海外マネー流入!外国人に買われた日本企業20社
海外マネー流入!外国人に買われた日本企業20社
男性も入れる?新業態『ワークマン女子』の中身
男性も入れる?新業態『ワークマン女子』の中身
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
生前贈与がダメになる<br>相続の新常識

相続をめぐる環境が激変しています。年110万円まで非課税だった生前贈与が税制改正により認められなくなる可能性も。本特集では相続の基本から、よくあるトラブルと解消法、最新路線価に基づく相続税額、さらに生前贈与の将来動向まで取り上げました。

東洋経済education×ICT