アップバンクの蹉跌、荒稼ぎに元役員不正も 「第2のgumi」か、お粗末なIPOになる可能性

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アップバンクが配信する「モンスト攻略」。大変な人気を集めた

しかし業績への打撃は別にしても、コンプライアンス(法令順守)の問題は深刻だ。会社側は元役員による横領について、設立初年度の2012年から2015年まで続き、金額は1.4億円に上るとしている。情報流出の件でも、「警察の協力を仰ぐ」「結果が出れば開示する」(同)と、歯切れが悪い。

上場直後の不始末という点で、アップバンクは、かつての“gumiショック”と重なる。2014年12月に上場したゲーム開発会社のgumiは、営業利益予想を2カ月半で黒字から赤字に下方修正し、株式市場から不興を買った。

ゲーム業界のアナリストは「業績予想が外れるのは仕方ないが、コンプライアンスの問題は譲ってはいけない」と構図自体が違うとみる。当初アップバンクはゲームやアプリを楽しく遊ぶための情報提供から出発した。上場を目指す過程で、収益化を焦り、油断が生じなかったか。さらには、不十分な管理体制で上場させた主幹事の野村証券、監査法人のトーマツ、認可した東京証券取引所も、今後責任を問われかねない。

アップバンクはどのような道をたどるか。1月下旬に発表される社内調査委員会の報告書が命運を握る。

「週刊東洋経済」2016年1月16日号<12日発売>「核心リポート01」を転載)

松浦 大 東洋経済 記者

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まつうら ひろし / Hiroshi Matsuura

明治大学、同大学院を経て、2009年に入社。記者としてはいろいろ担当して、今はソフトウェアやサイバーセキュリティなどを担当(多分)。編集は『業界地図』がメイン。妻と娘、息子、オウムと暮らす。2020年に育休を約8カ月取った。

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