セイコーーエプソンは赤字の液晶ディスプレー事業縮小だが、業績安定には完全撤退など大ナタ必至


 今回の中期経営計画では、11年度までの3年間を事業採算の改善に充てる予定で、有機ELディスプレーや業務用インクジェットプリンタなど、将来性の有望な新規事業の投資育成は後回しとなる。いわば、数年前まで後退した形だ。
 
 昨年4月碓井稔新社長の発表を行った際、花岡清二会長(当時社長)は「ディスプレーなど赤字事業の採算改善にメドがついた今、新しい商品の開拓を進めていくフェーズに入った」と交代の理由を述べていた。
 
 だが、この世界的な景気後退で、皮肉にも碓井社長は花岡会長が行ってきた採算改善の仕事に再度追われることとなる。今回会社側は液晶ディスプレーの縮小方針を明らかにしたが、赤字事業の整理にかける時間を少なくするためにも、より抜本的に事業完全撤退も視野に入れるべきだろう。
 
 なお09年3月期業績は、構造改革費用と設備の減損などで巨額の特損を計上し、売上高1兆1380億円、営業利益60億円、経常利益130億円、純損失1000億円となる見込み。また減損の効果で来10年3月期は110億円の、11年3月期はさらに90億円の採算改善効果が見込まれる。
 
(桑原 幸作)



《東洋経済・最新業績予想》
(百万円)    売 上  営業利益 経常利益  当期利益
連本2008.03  1,347,841 57,577 63,263 19,093
連本2009.03予 1,138,000 6,000 13,000 -100,000
連本2010.03予 1,045,000 -24,000 -19,000 -19,000
連中2008.09  615,784 28,008 27,497 11,720
連中2009.09予 515,000 -16,500 -14,000 -14,000
-----------------------------------------------------------
         1株益¥ 1株配¥
連本2008.03  97.2 32 
連本2009.03予 -509.3 26 
連本2010.03予 -96.8 18-26 
連中2008.09  59.7 19 
連中2009.09予 -71.3 9-13 

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