私は、こうやって「眼科開業医」を仕留めた 東京の「婚活事情」最前線<1>
夫に愛され余裕のある生活を送っている女は、どんなに抑えようとしても自分が幸せであることを隠すのは難しい。平日の昼下がりの六本木ヒルズのカフェ。この後は施設内のスーパーで買い物をして、夕方までに家に戻るそうだ。
3年前の彼女は、同じく小綺麗ではあるけれど、優しいだけが取り柄みたいな冴えない女だった。何年か続いた上司との不毛な社内恋愛に終止符を打って「婚活中」だと痛々しい笑顔で語った彼女はいかにも幸が薄そうで、昼ドラの脇役みたいなキャラだな、と昔は思っていた。女は男の選択一つでここまで変わるものだ。
「私は皆みたいに美人でもないし、田舎者だし、駆け引きとかもできなかったから。。」
いつも一歩引いた物言いをする有加子は、それでもよく夜の東京の中心とも言える西麻布などで開催される、独身のエリートやベンチャー企業経営者が集まる上質な合コンにいつも参加していた。
引く手数多で忙しく強気な美女と違い、ドタキャンする心配もなく時間をきっちりと守り、男に呼び出されたと言って1時間早々と帰ってしまうこともなく、「ハズレ合コン」であったとしても携帯をいじり始めたりもせず、優しい笑顔で最後まで空気を乱さない彼女は、合コン幹事からすれば誘いやすい存在だったのだ。お目当ての彼を横取りされる心配もない。
そんな彼女だったが、誰かとデートしたとか、口説かれているとか彼氏ができたという話もほとんどなかった。美女やモテる女はほかにたくさんいるので、冴えない彼女の存在は東京の恋愛市場の中では簡単に埋もれてしまう。
そんな中、彼女は28歳という若さで、何のためらいもなく結婚相談所に登録をした。
結婚相談所では6人の男性からオファー
「だって私、合コンに行ってもモテないし、連絡先すら聞かれない飲み会もたくさんあったから。誘ってもらえたらとりあえず参加はしてたけど、まだ20代だったし、結婚相談所ならもう少し価値あるかなって思ったんだ。前の恋愛では痛い思いしたから、本当に早く結婚したかったし。。」
彼女はそこで2ケタ以上の男性からデートの誘いを受け、6人の男性から結婚前提での付き合いを申し込まれた。彼女が提示していた条件は年収1500万円以上。昔の恋人である上司より高い年収の男性と結婚したかったという理由だそうだ。