下げ止まり日本株、2016年は春までジリ高だ 相場格言では「未辛抱」から「申酉騒ぐ」へ

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ただ、日経平均株価は半値押し1万8471円(9月安値1万6930→12月高値2万0012円)で下げ止まっている。また、株価体温計ともいわれる騰落レシオは80%台と、沈静圏に近づきつつある。アベノミクス相場といわれてから3年が経過しつつも、200日線1万9506円(12月22日時点)を下回る局面は押し目買いの好機となっている。投資家は極端な情報に流されないよう、需給関係の5合目ともいえる200日線を軸とした大局観が大切だ。

なお年初来でみると、米国株はマイナス圏へ沈んでいる一方、日本株と中国株は1割前後のプラス圏で推移している。中国政府による景気刺激策や国営企業改革などへの期待感から、中国株は底堅くなりつつある。

申年における日本株は平均プラス10.4%

1956年(昭和31年)は神武景気、1968年(昭和43年)はいざなぎ景気を背景にプラス30%前後の株高に至った。ただ当時の国内経済規模(GDP10~50兆円台)から、株価の大きな振れ幅を割り引く必要がある。1980年(昭和55年)は第2次オイルショック、2004年(平成16年)は鳥インフルエンザ等の影響もあり、プラス7~8%の小幅高にとどまる。1992年はバブル崩壊となり、マイナス20%超の株安となった。

2016~2017年の相場格言は「申酉(さるとり)騒ぐ」。過去5回の申年において日本株は平均プラス10.4%。また2016年は丙申(ひのえさる)にあたる。「丙」は事業が積極的に進展する年とも言われている。そもそも十二支は農作物の成長過程の12段階を指す。「申」は9番目で「伸ばす」が由来。草木が伸びて実が成熟、香りと味が固い殻におおわれていく時期を指す。現在は円安基調が大手輸出企業の業績を押し上げている一方、中小企業は人材不足や人件費上昇等から厳しい状況が続いている。

2015年の日本株は中国不安、原油安、米利上げによる下振れがあったものの、下値は切り上げている。2016年は春までじり高とみる。企業業績の二極化が改善され底上げにつながれば、日本株の「伸びしろ」も期待できよう。

さて、日経平均株価は12月第3週(12月14日~18日)に比べると、第4週(12月21日~25日)に入って日中値幅が縮小しつつある。22日の東証1部売買代金も2兆円割れとなった。23日の東京市場が天皇誕生日、24日の米国市場は短縮取引、25日の欧米市場はクリスマス休暇になるため、積極的な売買が手控えられそうだ。

ただ、祝日明けとなる24日の東京市場は信用取引の高値期日(6カ月)が到来、一時的に戻り売り圧力が和らぐ。仮にドレッシング買い(お化粧買い)が入れば、掉尾の一振(とうびのいっしん)といわれる年末にかけて尻上がりの展開も。戻りメドとして3月月中平均、200日線、11月末値のある1万9200~1万9700円台が意識されると思われる。

中村 克彦 みずほ証券 シニアテクニカルアナリスト

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なかむら かつひこ / Katsuhiko Nakamura

IFTA国際検定テクニカルアナリスト(MFTA)、日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)評議員。

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