マネックスがソニーバンク証券を買収、証券統合に伴う合理化と新規顧客開拓が狙い
大手ネット証券の一角、マネックスグループは7月17日、ソニー銀行の100%子会社であるソニーバンク証券を買収すると発表した。買収金額は22億5500万円。ソニー銀が持つ同社の全株式を8月1日に取得し、完全子会社化したうえで、今期中に傘下のマネックス証券と統合させる予定。マネックスにとっては新規口座獲得と統合に伴う人件費、不動産関係費、事務費、取引関係費などの削減効果で収益力を向上させる狙いがある。
マネックスとソニー銀は2005年12月より事業提携しており、ソニー銀のサイトからのマネックス証券の口座開設や、ソニーバンク証券には取り扱いのない外国債券や新規公開株の取引サービスなどを提供していた。
今回、マネックスとソニー銀は事業提携を強化。傘下のマネックス証券とソニーバンク証券を統合することで、ソニーバンク証券では扱っていなかった国内ETFやREIT、海外株式、海外ETFなどの新規商品を投入し、取引機会を拡充する。またソニー銀からマネックス証券に新規口座開設を誘導することで、現状で月間約4000件の新規口座開設数を1割程度増やす狙いがある。
ソニーバンク証券は顧客口座数が5万7000口座と大手と比べ少ないため、固定費が負担となり、前12年3月期に約5億3000万円の営業赤字を計上するなど苦戦が続いていた。ただし、両証券を統合することで前述のような合理化効果が見込めるため、今回の買収に伴うマネックスの営業利益への影響は軽微とみられる。また今期は第2四半期に約10億円の負ののれん特益を計上する見通し。東洋経済は以上を踏まえ、今来期のマネックスの業績見通しについて、表記のように予想を修正する。
国内の個人投資家の株式売買が低迷する中、マネックスは米中のネット証券を相次いで買収するなど、海外展開を積極化している。国内市場においても、ソニーバンク証券の顧客層を取り込むことで、収益改善を見込む。国内市場の逆風が続く中、新規顧客獲得と合理化効果の発現に期待がかかる。
(許斐 健太 =東洋経済オンライン)
《東洋経済・最新業績予想》
(百万円) 営業収益 営業利益 経常利益 純利益
連本2012.03 32,292 2,448 2,373 1,422
連本2013.03予 39,500 4,000 4,000 3,200
連本2014.03予 43,000 6,200 6,200 3,800
連中2011.09 14,697 1,721 1,760 963
連中2012.09予 18,400 1,800 1,800 1,800
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1株益¥ 1株配¥
連本2012.03 467.5 200
連本2013.03予 1068 300-500
連本2014.03予 1268 300-600
連中2011.09 312.7 100
連中2012.09予 600.6 200-300
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