あなたにも出来る!社労士合格体験記(第54回)--テキスト持って台湾秘湯の旅へ
試験では、解雇制限、解雇予告ともに「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」については、事業所管轄の労働基準監督署長の認定が必要になることがポイントです。
労災保険法、雇用保険法にも例外
労災保険法では、業務上の負傷の認定に「天災地変による災害」が登場します。作業中に発生した災害は、業務災害として認定されるのが原則ですが、「天災地変等」により起こった場合は、業務外とされるため適用しないという例外です。
ただし、たとえ天災地変に起因する災害であっても、天災地変による災害を被りやすい業務上の事情があって、その事情と相まって発生したと認められる場合には、業務に伴う危険が現実化して発生したものとして、業務起因性が認められることがあります。昨年の東日本大震災は、このケースに当たるものとして、仕事以外の私的な行為をしていた場合を除き、労災認定が行われました。
また、雇用保険法では、失業の認定で「天災その他やむを得ない理由」が登場します。基本手当の受給資格者は、失業の認定を受けようとするときは、指定された失業認定日にハローワークに出頭し、失業認定申告書に受給資格者証を添えて提出し、職業の紹介を求めなければなりません。
ただし、「天災その他やむを得ない理由」のために出頭することができなかったとき等は、証明書を提出することによって、失業の認定を受けることができるという例外です。この場合は、その理由がやんだ後における最初の失業の認定日にハローワークに出頭し、その理由を記載した証明書を受給資格者証に添えて提出しなければなりません。注意が必要なのは、結局本人の出頭が必要で、代理人ができるわけではないということです。
次回も、受験テキスト片手に台湾旅行が続きます。
【毎月第2・第4火曜日に掲載予定】
翠 洋(みす・ひろし)
1958年愛知県生まれ。国際基督教大学教養学部卒業後、ラジオたんぱ(現・ラジオNIKKEI)入社。番組制作、報道、出版事業などを経て45歳で退職。延べ1年半の失業期間の後、NHK「地球ラジオ」の専属ディレクターとして3年勤務。その間、ファイナンシャル・プランナー(AFP)に登録。2007年4度目の挑戦で「行政書士」合格後、行政書士法人で外国人の日本在留ビザ申請代行業務に従事。「社会保険労務士」には、2008年4度目の挑戦で合格。Mr. MISU国際行政書士事務所、中央社労士オフィスみす開設。現在は、LEC講師として社労士「新合格講座」「人事労務基礎科」などを教えている。趣味はアルトサックス演奏、温泉巡り。「語学オタク」(TOEIC 945点、中国語コミュニケーション能力検定TECC 883点、ハングル能力検定 準2級)。
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