星野リゾートがトマムを中国系に売った理由

独占!星野佳路代表に直撃インタビュー(上)

星野佳路(ほしの よしはる)/1960年生まれ。米コーネル大学大学院を経て、日本航空開発(旧JALホテルズ、現オークラ ニッコー ホテルマネジメント)に入社。1989年に帰国後、実家の星野温泉に入社するも、半年で退職。シティバンクを経て、1991年に星野温泉に戻り、社長に就任。現在はグループの代表を務める(撮影:梅谷秀司)

今はゲレンデの中に、さまざまなアクティビティができる場所が備わっており、スキーで滑り込み、そのまま出て行く、スキーイン・スキーアウトが一般的だ。つまりストレスなく、楽しめるリゾートに世界は変わってきた。

「リゾナーレ トマム」は、レストランなどのパブリックな機能はベースにあるが、すでにリフトを掛け替えて、コースも付け替えた。スキーで滑り込んできて、滑り出していける、スキーイン・スキーアウトができるホテルになっている。

それから、閑散期である夏場の集客にも、中長期的な投資をしていく必要がある。今までも雲海テラスなど、夏の滞在を魅力的にするアクティビティをたくさん導入したが、お客様の声を聞いていると、夏の北海道らしい風景を求めている。

先日もレストラン街「フォーレスタ モール」の一部を壊した。これからは、20数年前に建てたものを、壊し、新しく建てていく。こうすることで、トマムというリゾートが北海道らしい風景として、魅力的に見えるように再編していく必要がある。

ホテルの「所有」と「運営」は別のノウハウ

──トマムを含めて、ファンドがホテルや不動産を所有し、星野リゾートが運営を受託する、「所有」と「運営」を分離する方式を取っている施設が多い。これはなぜなのか。

ホテル業界では、1970年~1980年代に、所有と運営の分離が始まった。この業界において「所有する」ということは「投資する」ということ。「運営する」ということは、接客して、食事を作って、掃除するという、「サービスを提供する」こと。この2つは根本的に違うノウハウだ。

不動産投資からすると、ホテルは毎日値上げできるのでインフレに強いが、オフィスはなかなか値上げできないのでインフレに弱いと言われている。投資会社のグローブにしたって、フォースンにしたって、不動産投資のポートフォリオの中で、オフィスやホテルなどに投資している。

世界には、ホテルに投資したいし、所有もしたいけど、運営はしたくない人の方が多い。食事も、掃除も、サービスもやりたくない人は、いっぱいいる。そこは専門である運営会社に任せましょうとなっている。

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