アコーディアの委任状争奪戦が、株主総会目前に最終局面、議決権行使助言会社の意見表明も出そろい全面対決模様
2012年3月期決算企業の株主総会集中日となる6月28日まで1週間余り。日本ではほとんど例を見ない大株主との委任状争奪戦(プロクシーファイト)に突入した、ゴルフ場運営最大手、アコーディア・ゴルフも正念場を迎えている。
アコーディアの株主構成は、機関投資家60%、個人投資家35%で、残りがパチンコ・パチスロ大手の平和グループ。取引先などとの持ち合い株や金融機関による保有株はほとんどなく、“票読み”が難しい状況になっている。
会社と大株主が対立するそもそものきっかけとなったのは、竹生道巨(ちくぶ・みちひろ)前社長のコンプライアンス問題を、秋本一郎・元専務が告発(4月17日)したことにさかのぼる。
その後、大株主のオリンピア(アコーディアの発行済み株式の1.8%保有)が秋本前専務の告発に乗る形で「株主委員会」を結成し会社側を追及開始。同時にガバナンス改善を掲げ、株主総会に向けて取締役候補と監査役候補の株主提案を行った。
実は、オリンピアはパチンコ・パチスロ大手である平和の100%子会社。アコーディアの最大のライバルであるPGMホールディングスが、同じく平和の子会社であることから、コンプライアンス問題発覚の背景に、ゴルフ場運営2強であるアコーディアとPGMの統合計画をめぐる争いがあったことが明るみに出た。
助言会社の判断は真っ二つ
委任状争奪戦の争点は、アコーディアの新しい取締役と監査役を誰にするか、に尽きる。6月5日付で会社が株主に発送した株主総会招集通知には、会社側の役員候補(取締役9人+監査役2人)と、「株主委員会」による役員候補(取締役8人+監査役3人)が併記。
ただ、株主委員会側の役員候補者のうち、社内取締役候補(秋本元専務のほか、アコーディアの幹部社員である杉田勝幸氏、野中貞徳氏、田中理氏)の4人は、総会議案には名をとどめるものの、役員候補を自ら辞退すると表明済みだ。