新日鉄はホンダ軽自動車のサイドパネル用に世界で初の590MPa級ハイテンなど採用拡大へ

新日鉄はホンダ軽自動車のサイドパネル用に世界で初の590MPa級ハイテンなど採用拡大へ

国内高炉最大手の新日本製鉄は6月15日、ホンダの人気軽自動車「N BOX」向けに、サイドパネル用として世界で初めて、引っ張り強度590MPa級ハイテン(冷延鋼板)が採用されるなど、部品に応じた各種ハイテンが採用されたと発表した。

今回採用されたのは、ホンダが昨年12月に発売して以来、同社の軽自動車で最大の人気車種となっている「N BOX」向け。そのサイドパネル、サスペンションアーム、センターピラーそれぞれで、新日鉄の各種ハイテンが使われることになった。

サイドパネルでは、世界初となる590MPaハイテン(冷延鋼板)が採用。これまで340MPa程度の引っ張り強度が一般的だったパネルでは、強度以上に滑らかな曲線を出す美麗さと、加工性が求められる。それでもスティフナーなど補強部材が必要になるなど、軽量化の課題となっていた。ここに、伸び特性と外観を改善することで、従来最高強度とされた440MPa級を上回る、590MPa級ハイテンが世界で初めて採用されることになった。スティフナーが不要となることで軽量化効果も大きいようだ。

また、同車種のサスペンションアームには引っ張り強度780MPa級高穴広げ性ハイテン(熱延鋼板)が採用。湾曲した形状でバーリング加工を施すために求められる部分伸びや穴広げ特性に対応するべく開発されたものだ。

さらに、構造部材であるセンターピラーでは、鋼材を加熱しながらプレスし急速冷却することで強度を高めるホットスタンプ製法も活用し、引っ張り強度が1500MPaまで上がるホットスタンプ材も採用された。従来、980MPaの超ハイテン材を使っても1.6mmの厚さが必要だったが、ホットスタンプによって、わずか1.0mmという薄さで要求強度を満たすことができる。
 
 自動車用鋼板のハイテン化は自動車の軽量化の大きな要素となるが、強度を上げれば、加工性が劣化するトレードオフの関係にあった。それを加工性を維持しながら、強度を上げる試みが続けられており、新日鉄では、今後も軽量化などに寄与する環境に優しい鋼材の開発に取り組んでいく構えだ。

(山内 哲夫 =東洋経済オンライン)

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