新型車両「東武90000系」が東上線に与える衝撃度 特徴的な前面形状、現行車両は今後どうなる?

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実はこの同じ時期に、東武鉄道内で9000系と同じようにステンレス車体で登場するはずだった形式が存在した。以前東武博物館・元名誉館長の花上嘉成氏にお聞きしたが、旧型車両を更新する目的で7300系の更新工事を行い、車体のみステンレス製のものに置き換えるというものである。1980年から1981年のことであった。その姿は、従来の8000系をステンレス化したような姿で、アルナ工機製(現在のアルナ車両)。車体側面は、東急電鉄の8000系によく似たものであった。

しかしながら経済的な理由で廃案となってしまった(試作車体はすでに解体されており現存しない)。おそらく、すでに9000系の登場直前であり、旧型車両を更新して使用するよりも、新型車両を製造して長く使う方が経済的と考えたのかもしれない。

当時は、東急電鉄や京成電鉄などでもすでにステンレス車体の車両導入を進めており、8000系登場以降、新形式の通勤車両を登場させてなかった東武としては、9000系の導入計画は社を挙げての一大プロジェクトとなったのであろう。直通先の営団7000系とも引けをとらない高性能。デザインも一新し、まさに「ハイテク電車」として利用者にも好評で迎えられた。

トップナンバーの9101編成(筆者撮影)

9000系を改良した10000系も登場

9000系を営団地下鉄に乗り入れない地上運用専用に改良した10000系も開発され、東上線へ先に導入した後に8000系車両での主体運行が続く伊勢崎線系統にも導入された。10000系は前面の貫通扉を、中心の位置にしたデザインである。理由は、2両編成、4両編成、6両編成、8両編成などを状況に応じて組み替え、先頭車同士で連結した時に、車内を行き来できるように考慮したものである。

東上線10030型(筆者撮影)

9000系と10000系は1980年代の東武鉄道にとって革命的な車両であった。これ以降、50000系が登場するまでの間、10030型、日比谷線直通用に20000系列、半蔵門線直通用に製造された30000系など9000系や10000系をベースとしたデザインにされている。9000系、10000系ともに東上線で現在も活躍中である。

9000系登場から45年。9000系の後継車両として90000系の製造が進められている。東武鉄道の公式ユーチューブでは、製造途中の車体を公開するなど登場前にして期待感を盛り上げている。月初旬には製造を行った日立製作所笠戸事業所から東武の南栗橋工場に輸送された。

同形式は9000系に比べて、消費電力を40%削減させるほかVVVFインバータ制御装置も最新のものに、環境負荷低減をさらに高めたものになっている。2025年3月の公式発表の時点では、70両(7編成)の導入にとどまっているが、さらに増やす可能性がある。

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