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日本の消費者が知るべき、台湾の劣悪なマグロ漁船労働。1週間に1人が事故や行方不明に、給料不払いも。インドネシア人船員が語る深刻な実態

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──具体的に、どのような人権侵害の事例があるのでしょうか。

ムジャキール 24年初め、シックリー・エルマデン・スブさんというインドネシア人の労働者がマグロ漁船で息を引き取った。彼は、南太平洋のフィジー沖でのマグロはえ縄漁に従事していた。

ひどい時には1日で、海中に網を降ろす作業が8時間続き、1時間だけの休憩の後、今度は15時間にわたって網を上げる作業が続いた。出漁の期間は10カ月間にもわたり、その間、家族を含め、外部とコミュニケーションを取ることもままならない状況だった。そうした中でシックリーさんは体調を崩してしまった。

彼の両足は腫れ上がり、腹痛を起こした。しかし、船長は陸に戻ることを拒否し、シックリーさんはそのような状況下でも給料の支払いが打ち切られることを恐れて働き続けた。医師は乗船しておらず、シックリーさんには使用期限が切れた薬しか与えられず、彼は28歳という若さでこの世から去った。

現在、台湾では2万人近い外国人労働者が漁業に従事しており、そのうちの半数以上をインドネシア人が占めている。台湾の遠洋漁業の労働環境は極めて劣悪で、あるNGOの調査によれば、1週間に1人の割合で漁船の乗組員が不慮の事故や病気などで命を落としたり、行方不明に、あるいは落水事故に遭ったりしているという。

ムジャキール氏とエドワーズ氏は、シーフードに関する国際イベントである「サステナブルシーフード・サミット2025」(2025年10月)に参加し、台湾での外国人漁業労働者の人権状況の改善の必要性を訴えた(写真:シーフードレガシー)
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