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中国高速鉄道「5万km突破」消えゆく在来線の面影 大変貌を遂げた"人民の足"発展の陰で「ある問題」も

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中国では長期にわたり、立ち遅れた内陸部の社会整備や経済へのテコ入れが頭の痛い課題として横たわっていた。大都市間のような大きな需要の見込めない地方も含めた高速鉄道網の拡充は、そうした問題を目に見える形で解消するためといえる。

したがって、投資回収や維持更新のためのコストなどといった指標だけでは評価しにくい部分はあるものの、中国も総延長5万km達成と手放しで喜んでいられるだけではないのも事実だ。

そんな中、冒頭で触れたZ99/100次列車が姿を消した。

香港から中国本土へ向かう客車列車。高速鉄道の開通で香港と中国各地を結ぶ在来線客車列車は姿を消した=2018年(筆者撮影)

「かつての列車旅」懐かしむ人々

Z99/100次列車は1997年5月、香港の中国返還直前に運行を開始した、返還時の象徴的な列車だ。2024年以降は上海―広州間に短縮されていたとはいえ、そんなルーツを持つ在来線列車が静かに役割を終えたことになる。

この列車は新幹線タイプの寝台電車に置き換えられたため、形のうえでは “格上げ”である。だが、中国在来線の輸送を長らく担ってきた長距離客車列車がまた1つ消えたのも事実だ。在来線経由のこの列車には、注文を受けてから鍋を振るという昔ながらの食堂車サービスが残っており、その終了を前に名残を惜しむ人々による「駆け込み」での乗車需要が起きた。

上海駅を発車する東風4D型ディーゼル機関車牽引の客車列車=2000年(筆者撮影)

経済発展を支える高速化へ突き進んできた中国の鉄道だが、発展の影で失われるかつての列車の旅という「体験の終わり」を惜しむ現象も確かに広がっている。効率的な高速鉄道網が広がる一方で、中国社会の変容を映し出しているともいえるだろう。

また、高速鉄道の駅を郊外に立地させたことで、「電車は速いのに、駅は街から遠くて時間がかかる」という逆説も生まれた。これは中国の高速鉄道が抱える一つの弱点ともいえるだろう。今後は、生活圏に近い在来線の駅施設を生かしながら、近距離圏との接続をどう設計していくかも課題になりそうだ。

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