中国高速鉄道「5万km突破」消えゆく在来線の面影 大変貌を遂げた"人民の足"発展の陰で「ある問題」も
一方、高速鉄道が中~長距離輸送の主役になる中、在来線は大都市間旅客輸送の役割を徐々に失っていった。
例えば、上海―南京間の高速鉄道は最速の優等列車「G列車」やこれに次ぐ「D列車」が1日100本以上運行されているが、在来線の優等列車だった「Z列車」や「T列車」は事実上消滅した。長距離の「K列車(快速)」は地方からの輸送手段として残るものの、上海―南京間を中心とする短距離の運用はほぼ消滅した。
新幹線の開業によって、在来線が補助的な役割や貨物輸送中心へ変わったのは日本も同様だ。だが、これが全国的にさらに大規模に起きているのが中国といえる。例えば、前述した京広線には並行する形で高速鉄道が開業したことで、内陸部と広東省を結ぶ大動脈の途中駅だった坪石や楽昌は、現在は旅客列車が日に数本停車するのみとなっている。
街から離れた駅や「幽霊駅」問題
ただ、日本の新幹線と異なるのは、中国の高速鉄道の駅、とくに大都市のターミナルは従来の中心駅に隣接せず、上海虹橋駅や南京南駅などをはじめ、都市中心部から離れた場所に建設される例が多いことだ。中心部からの地下鉄や道路移動を考慮すると、「駅が遠い」という感覚がある。列車自体は大幅に速くなったが、ドアツードアでは必ずしも「早く着けるようになった」という実感を伴わないことも多い。
また、高速鉄道の新駅は「地元のため」との名目で、経済性や需要判断を考慮せず建設した結果、ほとんど使われていない、場合によっては開業以来まったく使われていない駅も各地に存在し、問題となっている(2024年8月20日付記事『中国高速鉄道、急成長の影で「幽霊駅」出現の衝撃』参照)。


















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