「英語圏の国は学費が高かった」、慶応から一念発起しオランダの大学へ《ヨーロッパ留学が約4割増で人気》アメリカ留学との違いや意外な魅力

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「聴覚情報の処理が苦手なため、学校では『学習に困難がある』というレッテルを貼られている生徒がいました。しかし、視覚情報に重きを置いた授業を展開することでみるみるうちに成績が上昇。

この経験から、現在の日本の公教育には構造的に限界があるのではないかと感じるようになり、学び方の多様性をどのように確保できるのかについて研究したいという思いが強まりました」

そう考えた井上さんは、教育研究が盛んな国での交換留学ではなく、正規留学を検討し始めた。

当初は英語圏の国を検討したが、学費の高さが壁となった。そんな中、ヨーロッパ留学を専門とするコンサルタントを通じ、EU圏内の留学であれば経済的ハードルを乗り越えやすいことを知り、ヨーロッパ留学を決意した。

「面談を重ね、『なぜ海外なのか』『何を学びたいのか』を徹底的に問われました。自分の動機を言語化するプロセスそのものが、大きな学びでした」

最終的に選んだのが、オランダ・ユトレヒト大学のインターナショナル・オナーズ・カレッジであるUniversity College Rooseveltだった。心理学分野に定評があり、学際的な履修が可能な点に加え、教育研究の先進国であること、英語で学べることが決め手となった。

「多様な学び方の確保について深く理解するためには、まずは自分自身の視野を広げることが不可欠だと思い、あえて最初から発達心理学などの専門に絞り込まず、文理融合で幅広く学べる環境を選びました。

また、オランダでは住居確保が非常に難しいと言われる中、希望した学部は大学が住居を確保してくれ、オランダ政府から補助金を受けられたことも決断を後押ししました。当時の学費は日本の私立文系学部と同程度で、3年制。教育の質を考えると、コストパフォーマンスは非常に高いと感じました」

出願では学力試験、エッセイ、面接が課され、特にエッセイでは「なぜ日本ではなくオランダなのか」を論理的に説明する必要があった。「エッセイの書き方がわからなかったのですが、コンサルタントの方に構成や英語のニュアンスなどアドバイスをいただきながら仕上げ、合格できました」。

厳しさと支援が共存するヨーロッパの大学

入学後、最大の壁は英語だった。授業内容の理解、ディスカッションへの参加、厳格な成績評価。ヨーロッパの大学のGPAは4点満点で、所属学部ではGPA2.0以下が続けば退学となる制度があり、卒業までに学生数が約半分に減るという。

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