Hさんは7年という友人期間と2年の交際期間がありながら、彼の加害体質に気づくことができませんでした。ちょっと束縛は強めだけど頼れる人、くらいの印象だったそうです。でも、結婚後に夫は豹変。彼は前妻とその子どもとも加害や養育費不払いなどで縁が切れていたのですが、それがわかったのも結婚後だったそうです。
「突然豹変する」ということが多い
実は、「そんな人だと気づけなかった」はDVあるあるです。「結婚後に豹変」「妊娠後に豹変」「出産後に豹変」「第二子出産後に豹変」などタイミングはバラバラですが、「突然豹変する」ということが多く、いずれも被害者が逃げにくい状況になったときに発動するパターンが多いようです。なので、被害者に向けられる「そんな人と結婚するのが悪い。自己責任」はかなり無知な発言であり、二次加害となる言葉なのです。
さらに、暴れる時期と反省し優しくなる時期のサイクルがあるのもDVあるある。だからこそ、被害者はいくら加害を受けても、さまざまな感情の混乱から、いったん離れてはまた戻るを繰り返してしまうのです。全米家庭内暴力ホットライン公式サイトには「被害者が完全に関係を終わらせるまでに平均して7回別れている」という言葉があるほどです。
Hさんも実家への一時短期避難を繰り返した末の離婚でしたが「いまだに子どものためによりを戻したほうがいいのかと迷うときがあります。とはいえ、子どもを危険にさらしてしまうかもしれないし、これまで親など周りにかけた迷惑も思い出して、自分を食い止めています」と言います。
アメリカのDV加害者専門カウンセラーのランディ・バンクロフトは、その著書『DV・虐待加害者の実体を知る』のなかで「DV加害者は加害者ではない男性よりも、子どもを虐待する傾向が強く、子ども(男女)に性的虐待をする確率も高い」という調査結果を紹介しています。Hさんが「子どもを危険にさらしてしまうかも」と不安に思うのはそういった懸念もあるようです。
このように、DVの加害者と被害者の言動には一定の傾向があります。そしてDVや虐待のトラウマに苦しむ親子も多いのですが、日本ではトラウマケアの認知が低いのが現状です。次回は、トラウマ回復支援団体のインタビューを紹介します。
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