25時に帰宅することも、学校現場には"労務管理の観点がない"管理職が多いのか?倒れた経験あるのに「月80時間残業」なくならない教員の叫び

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教師の1日当たりの在校等時間
※平成28年度調査と同様に、1分未満の時間は切り捨てて表示。「教諭」には主幹教諭・指導教諭を含む(出所)文科省「教員勤務実態調査(令和4年度)集計【確定値】」

しかし、実際の現場では、その目標に程遠い労働環境の中で働く教員も多い。地方の公立中学校に勤務する田中康彦さん(仮名)もその1人だ。

「今年度の人事の事前調査の際、学年主任を打診され、了承しました。その際、進路指導部長は別の人が担当すると聞いていたのですが、人事発表の当日に告示されたのは、私が学年主任と進路指導部長を兼任するという内容だったのです。打診された方が断ったから私に回ってきたのか……理由はわかりません」

しかも、この進路指導部長は受験生だけではなく、3学年すべての進路指導を統括する。田中さんの勤務校は3学年合わせても100人に満たない、いわゆる小規模校だ。

「各学年の生徒数は少ないものの、学年ごとに課題が異なりますから、指導の内容も異なります。また、生徒一人ひとりの学力も希望も異なるため、3学年の生徒全員の進路指導を統括するのは大変です。しかも、学年主任との兼任ですから、明らかに業務過多なのです」

帰宅が25時になることも、授業準備もままならない

そもそも、教員として抱える仕事が山のようにある。授業、部活の顧問、不登校の生徒への対応や校則を守らない生徒への指導、総合的な学習の時間の企画・運営……。そのうえ、学年主任と進路指導部長に任命されたことで、田中さんの時間外労働は増加の一途をたどった。

「私も死にたくありませんから、できる限り業務を効率化してきました。それでも5月の時間外労働は1カ月で80時間に迫りました。心臓が跳ねる感覚が続き、危険を感じて早めに帰っても23時前。25時頃の帰宅が続く時期もあります」

無理を重ねざるを得ない状況に追い込まれた田中さんは、持病の症状が出るようになってしまった。実は、田中さんは以前も小規模校に配置されて業務が集中し、過重労働に陥った経験がある。

「前任校で過重労働に陥った時は『これはやばい』という感覚があり、自分で時間外労働時間を計算したら1カ月で150時間を超えていました」

その直後、田中さんは倒れてしまった。以来、持病を抱えることになり、現在の在籍校でも管理職にも伝えていた。それでも、学年主任と進路指導部長を兼任することになってしまったのだ。そんな状況に対し、田中さんは「このような人事自体、明らかに人権を無視したものだと感じる」と吐露する。

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