JR南武線「ワンマン化で遅延増」汚名返上なるか 停車時間や折り返しなど26年春に「一部見直し」
また、近年高架化された区間などはホームを広くとっているものの、それ以外では狭い駅も多い。主要な乗換駅である登戸や武蔵小杉も、ラッシュ時などは電車を待つ乗客が並んでいるとホームを通行するのがなかなか大変だ。一部の車両に混雑が集中しやすい傾向もあるといえる。
このほか、以前から遅延が発生しやすい要因として、踏切の存在がある。遮断機が下りる直前に人が渡るなど、踏切内への人の立ち入りで安全確認のために電車が一時的に止まり、ダイヤの乱れにつながることが多いようだ。
南武線と同時にワンマン化した常磐線各駅停車は踏切がなく、全列車が10両編成で混雑率も123%(2024年度)と比較的低い。南武線はもともと遅延が起きやすい条件があるところにワンマン化後のドア開閉や発車メロディなどの問題が重なり、遅れが目立つようになったともいえるだろう。
他線のワンマン化に知見は生きるか
南武線では連続立体交差化の計画が進んでいる。矢向―武蔵小杉間は2025年1月に神奈川県から都市計画事業の認可を取得し、2033年度から2038年度にかけて高架線に切り替える予定である。
立体交差化は渋滞の解消などが主な目的だが、踏切が減り、立体交差化で駅も改良されれば遅延の減少にも結び付きそうだ。運転本数の多い都市部の鉄道において、踏切は極力減らしたい施設であり、今後ワンマン化が計画されている山手線でも現状で唯一の踏切「第二中里踏切」は2029年に廃止の予定である。
ワンマン化で遅延なく列車を走らせるためには、さまざまな面での調整が必要である。車掌と運転士の「匠の技」で成り立っていたラッシュ時の定時運行をシステムで支えるのは、そう簡単なものではないともいえる。今後、首都圏でもワンマン運転を拡大していくうえで、南武線で得られた知見は重要となるであろう。
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