JR南武線「ワンマン化で遅延増」汚名返上なるか 停車時間や折り返しなど26年春に「一部見直し」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

一部ダイヤ見直しの内容は「停車時間の調整や折り返し時間の拡大など」だ。

JR東日本によると、停車時間については「実態に合わせ、利用の多い駅の停車時間を若干延ばすなどの調整」を行うという。折り返し時間の拡大は、起終点である川崎・立川での折り返しに要する時間の調整だ。遅れが発生しやすい朝ラッシュ時を中心にこれらの見直しを行い、「遅れが出ても吸収できるダイヤにしていく」という。

筆者が見る限り、小田急線と接続する登戸や、東急田園都市線・大井町線と接続する武蔵溝ノ口、そして横須賀線や湘南新宿ライン、東横線、目黒線と接続する武蔵小杉といった乗換駅で多くの人の乗降があり、停車時間が長くなりやすいと感じる。これは南武線利用者の多くが思うことであろう。

南武線 登戸
小田急線との接続駅、登戸を発車する南武線の電車。上に見えるのは高架の小田急線ホーム(編集部撮影)

南武線特有の原因はある?

実は南武線は、ワンマン化を見据えて2025年3月のダイヤ改正でも駅の停車時間などを増やすなどの微調整を実施している。2026年春の一部ダイヤ見直しは、ワンマン化後の実態を踏まえて、これらの調整をさらに行うものといえるだろう。

だが、南武線と同じタイミングでワンマン化した常磐線各駅停車では、とくに遅延が増えたとの声は出ていない。武蔵小杉で接続する東急東横線も現在は全列車がワンマン運転になっているが、なぜ南武線だけ遅延が目立つとの声が?という疑問は頭からぬぐえない。

南武線 稲田堤
稲田堤駅を発車した南武線の電車。同駅は京王相模原線の京王稲田堤駅に近く乗り換え利用も多い(編集部撮影)
【図】2015年度~2024年度の南武線混雑率の変化。コロナ禍で一時低下したが最近は再び上昇傾向だ

となると、同線特有の事情があるといえそうだ。

1つは混雑だ。南武線はそもそも、首都圏有数の混雑路線である。2015年度は190%で、全国のJR線で3位だった。コロナ禍によって輸送人員は一時的に減少し、2021年度は112%まで下がったが、その後2023年度は146%、さらに2024年度は153%に上昇している。沿線人口が増えている地域である一方、列車は首都圏の鉄道としては短い6両編成であることが高い混雑率に結び付いている。

この記事の画像を見る(15枚)
次ページ踏切も遅延の要因?
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事