〈インタビュー〉フジ・メディアHD清水社長が思う「フジテレビ問題の核心」/同質性が高すぎて過ちに気づきにくい状況に
――社内の意識は、具体的にどう変わってきているのでしょうか。
ガバナンス改革については、土台となる形は整ったと考えている。トップがコミットし続け、外部のチェックを受けながら運用を徹底している。アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)など、知識面での浸透も進み、組織の雰囲気は変わってきた。
社内で実施したアンケートの結果も想定していたより良好であったことは、驚きでもあった。今後、こうした改革が業績向上というメリットとして社員に還元されれば、意識はさらに確固たるものへと変わるだろう。
6月の株主総会以降は「コンテンツ起点」へ
――事業改革のフェーズに入るとのことですが、「地上波起点」から「コンテンツ起点」へのシフトを強調しています。
これまでは「放送枠(タイムテーブル)」のどこを埋めるか、という発想に縛られて企画を作っていた。2次利用はそのおまけにすぎなかった。
だが自らの視聴行動を考えたとき、今やテレビの放送だけではないはずだ。配信もあり動画もあり、さまざまメディアを見ている。そうした視聴者視点でコンテンツを作ってくれと言っている。
そのため6月の株主総会以降、「コンテンツ起点」に切り替えた。放送枠という制限を取り払い、とにかく面白いと思うものを開発しろと指示している。地上波放送はその出口の1つにすぎないという捉え方だ。
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