冬休みの学び直しが「3学期の授業」を劇的に変える!「教師としての軸」を太くする、本質的な学び直し術《おすすめ本も紹介》
これらを踏まえて、この冬にぜひ手に取っていただきたい4つの書籍や資料をご紹介します。
年末年始におすすめの書籍4冊
1. 『授業づくりと授業研究に活かす 学習科学入門』(河野麻沙美、河崎美保 著/北大路書房)
「主体的・対話的で深い学び」という言葉は知っていても、それが実際に子どもたちの頭の中で何が起きているのかまで説明できるでしょうか。
本書は、そのプロセスを「学習科学」の理論にもとづいて丁寧に読み解いてくれます。経験則だけに頼るのではなく、エビデンスに基づく「学習の科学」を武器にすれば、授業の解像度は劇的に上がります。理論と実践の懸け橋となる一冊です。
また、「入門」と銘打たれているとおり、本書を起点に、学習科学のさまざまな書籍へと学びを広げていくこともできるでしょう。
2. 『初等科数学科教育学序説―杉山吉茂教授講義筆記』(杉山吉茂 著/東洋館出版社)
これは私自身が毎年、長期休みのたびに読み直している「バイブル」のような一冊です。算数・数学教育の巨星・杉山吉茂先生の講義録であり、小手先のテクニックではなく「算数・数学とは何か」という本質が詰まっています。
読むたびに新しい発見があり、自分の実践の浅さに気づかされると同時に、教師という仕事の奥深さに改めて感動させられます。算数が専門でない先生にも、ぜひ触れていただきたい名著です。
3. 教育課程部会の各教科のワーキンググループの資料
「教育課程部会 ワーキンググループの資料」とは、中教審(初等中等教育分科会・教育課程部会)の会議で、各教科の目標・内容・資質・能力などを検討するために配付される資料一式のことです。
具体的には、①議事次第、②検討用の本体資料、③参考資料(データ、関連部会資料、委員名簿等)から構成されます。
意外かもしれませんが、国の審議会やワーキンググループが公開する資料は、学びの宝庫です。解説記事だけで理解したつもりになるのではなく、原典に当たることで、教育のこれからの方向性がよりクリアに見えてきます。
「全部読まなきゃ」と身構える必要はありません。気になるキーワードで検索し、論点整理やまとめ資料、ポンチ絵(図解)を眺めるだけでも、視座はぐっと高まります。さらに言えば、そこにあるのは“数年後のための議論”だけではありません。いま目の前の授業を改善するためのヒントも、確かに隠れています。
4. 『次期学習指導要領に備えろ! あなたが“今すぐ”始められる11のクエスト』(樋口万太郎 著/明治図書出版)
手前味噌で恐縮ですが、拙著も紹介させてください。次の学習指導要領改訂に向けた動きは既に始まっています。「改訂されてから慌てる」のではなく、今のうちから準備できることはたくさんあります。
本書では、次期学習指導要領を「授業の質を再構築するチャンス」と捉え、明日からゲーム感覚で始められる具体的なアクション(クエスト)を提案しています。未来の授業をつくるための攻略本として活用いただければ幸いです。


















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