25年の《映画興行収入ランキングTOP10》が示す「新たなヒット傾向」。『鬼滅の刃』『国宝』が牽引!アニメ人気は新局面、邦画実写でも動きが
『国宝』の成功は、多くの独立系製作会社に対して、いろいろな企画のあり方などマインド的な影響を与えたに違いない。
この先の邦画シーンについて、前述の大高氏は「実写作品では、『国宝』とはバリエーションが違う作品がこれからどれだけ出てくるか。『国宝』の成功例を模倣してもダメだと思う。この作品に内在している熱い志、過去の映画の常識を覆すようなチャレンジ精神こそが求められる。『国宝』をレアケースにしないことだ」と指摘する。
“洋画離れ”は昨年より進むのか
洋画は、26年の扱いになる大ヒット中の『ズートピア2』を除くと、夏以降の下半期にほとんど話題作が生まれなかった。
最高が『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』(52.7億円)となり、“洋画離れ”が声高に叫ばれた昨年に続いて、100億円前後に迫るようなスーパーヒットが生まれない厳しい年になった。
TOP10圏外になるが、30億円台後半の『マインクラフト/ザ・ムービー』と30億円台中盤の『ウィキッド ふたりの魔女』は、シリーズ大作が圧倒的に強い洋画市場において、ユニークなヒットになった。
洋画は話題性や作品のビジュアル感でヒットが生まれる傾向があるなか、『ウィキッド ふたりの魔女』ではシンガー・ソングライターであり俳優のアリアナ・グランデがスターのひとりとして頭角を現した。
女性のハリウッドスターが久しく生まれていないなか、トム・クルーズやブラッド・ピットのような観客を呼べるスターになっていくか注目される。
独立系の洋画を主に上映するミニシアターは、シネコンがアニメ大作で隆盛を誇る一方、より厳しい環境に陥っている。今年はシネ・リーブル池袋やシネマカリテなど、広く愛されてきたミニシアターの閉館が続き、映画ファンに衝撃を与えた。


















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