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葉山町ホテル開発の許可獲得に向けた設計会社の口車と、それにやすやすと乗っかり「許可」を出した神奈川県"お役所仕事"のお粗末

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1.76㎡というわずかな面積だが、この土地が手に入ればトゥモローランド側は接続道路と接する日動画廊の所有地を30㎝強セットバックさせられる(セットバック部分は町道の一部として後に葉山町に寄付)。セットバックができれば、「一方の道路境界線から反対側の道路境界線に向けて引いた垂線の長さ」は4m以上となり、道路の中心線から計測しても道幅4mはクリアできる。

実際、①K23(日動画廊所有地向かいにある住宅のブロック塀の角)から接続道路反対側の道路境界線までが4.010m、②K2´(日動画廊所有地の塀の角K2から36.5㎝北に平行移動した地点)から接続道路反対側の道路境界線までが4.375m、③K2から接続道路反対側の道路境界線までが4.063m――となるなど、いずれも「4m以上」を確保できることが判明した。その一方で、K2からK23に向けて引いた線は垂線ではないというものの、実測値で3.79mしかない事態に変わりはない。

久米設計が作成した、狭隘な箇所付近の図面。情報公開請求で取得した住民による提供

これを受けて久米設計のT氏は21年6月23日から同月30日までの間、葉山町の開発を管轄する神奈川県横須賀土木事務所計画建築部まちづくり・建築指導課(当時)の山口泰永職員に電話をかけ、セットバック部分の幅の取り方やその形などを相談。これに対して山口職員は、「垂線で4m以上確保できていればよい、つまり4mのボールが転がせるように」と回答した。その際、山口職員は「測り方は垂線でよいが、葉山町の考え方も確認しておくように」とも指示している。

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